| Project/Area Number |
24K03539
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 01070:Theory of art practice-related
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| Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
夏目 深雪 多摩美術大学, 美術学部, 特定研究員 (00990160)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 容子 北海道大学, 文学研究院, 教授 (10434359)
藤田 直哉 日本映画大学, 映画学部, 准教授 (30851737)
坂川 直也 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携研究員 (50849619)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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| Keywords | 国民映画 / ナショナリズム / 女性映画 / フェミニズム / メディア論 / VR / クィア / 戦争 / 女性表象 / 東アジア映画 |
| Outline of Research at the Start |
「国民映画」の研究が喫緊であるのは、現時点で「戦時中」の国が4つもあり、また世界に蔓延るポスト・トゥルースの波と無関係でいられる国民はいないからである。映画におけるナショナリズムの研究は大変重要なものだが、国民映画を観ることの難しさから研究が遅れ、特に映画理論が西洋発であることもあり、それぞれ多様な文化と歴史を持つアジアの国民映画は研究が進んで来なかった。 このプロジェクトは映画批評家と地域研究者の混合チームで日本とも関係が深い東アジアを基盤にしてその難関に挑むものである。さらに3人中2人が女性研究者で、戦争と女性表象という現代的な切り口で映画の危険性と可能性を探る。
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| Outline of Annual Research Achievements |
クエンティン・タランティーノ監督の諸作品、インド映画『RRR』(2021)の大ヒットなど、愛国主義やポスト・トゥルースの波が映画界でも無視できなくなってきて、「国民映画」(National cinema)の精査と再位置づけが急務となっている。また、♯MeTooムーブメント以降の女性監督や映画における女性表象の増大により、映画のナラティヴに変容が起きている。クィアやホモソーシャルなどフェミニズム的視点から、国民映画を再検証することにより、映画史を現代的な視点で見直すことになり、映画の持つ危険性と可能性が浮かび上がる。『韓国女性映画』の編著作を持つ映画批評家・夏目と、ベトナムを中心とした東南アジア地域の宗教・風習・婚姻、家族制度に精通した地域研究者・坂川の混合チームで、日本・韓国・中国・台湾・ベトナムを中心に、東南アジア諸国とインドを外周としながら「国民映画」を比較し、映像におけるナショナリズムと女性の関係を紐解くことを目的とする。 2024年末から、領域横断的に研究・評論活動を展開する藤田直哉准教授を新メンバーに迎え、地域では日本、また日本とアジア諸国の関係、テーマ的には表象不可能性、フィクションにおける歴史改変、敗戦国家日本の精神性など絞り、よりアウトプットしやすい研究を目指す。 藤田は映画のみならずSFなどの小説、日本の漫画やアニメーションなどのサブカルチャー、またはポスト・トゥルースなどのネット文化やYoutubeやVRなどのニューメディアにも造詣が深い。映画研究、地域研究、サブカルチャー研究とそれぞれの知見を持ち寄り、ディスカッションによる多角的な検討を通して、ナショナリズムとメディアの関係について本質的な捉え方をすることが目標である。戦争が絵空事ではなくなっている世界状況に対して、変わりゆくメディアの可能性を通し、積極的な提言をすることを目指す。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
田村容子教授がご多忙により抜けられ、夏目の担当が日本・韓国のみならず中国と台湾等増えたが、日本と日本とアジア諸国の関係に地域を絞ることにより、茫洋と東アジア全般を対象としていた時よりも視界がよくなった感がある。 映画とナショナリズムの関係は難しいテーマで、夏目一人で舵取りをするのは負担が大きかったが、日本のアニメーションなど隣接分野で地道に出版活動を、また近年はネット文化とナショナリズムの関係について旺盛な言論活動を行う藤田の参加により、どのように研究し、どのように世に問うていくかの多角的な検討と話し合いができるようになり、初年度の地盤固めとパースペクティブとしては充分である。 実績としては夏目と藤田が『RRR』についての論考を寄稿、夏目が司会、坂川が参加した座談会で国民映画について討論した『飛躍するインド映画の世界』、坂川がGender and Sexual Minorities in Contemporary Southeast Asia: An Attempt at Image Categorizationという論考を寄稿した"LGBT" Politics Asian Perspectivesがある。前者は当科研費の3人が揃った初実績とも呼べる書籍であり、後者は坂川が参加していた科研費「東南アジアにおけるLGBTの比較政治研究」の研究成果の英語版で、より東アジアとの連携を図ったものとなる。
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| Strategy for Future Research Activity |
●研究会は最低でも3カ月に1度は実施し、各自研究の成果を発表する。その後、ディスカッションによりお互いの知見を交換したり、発表しない者も進捗を報告する。 ●それぞれのテーマでリーダーを決め、そのテーマについてはリーダーが主導する。表象不可能性は夏目、国民映画は坂川、歴史改変は藤田。 ●藤田はアジア映画については他の2人ほど造詣が深くないため、大阪アジアン映画祭、東京フィルメックス、山形国際ドキュメンタリー映画祭、環太平洋沖縄国際映画祭といったアジア映画を上映する映画祭で、テーマと関連する映画を3人で鑑賞し、意見交換する場を積極的に作る。 ●上記の映画祭に行った場合や、関連映画の論評など、こまめに記事を書き掲載できる場所としてNoteを活用する予定。 ●今年度からシンポジウムや書籍出版について具体的に検討していく。
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