| Project/Area Number |
24K03820
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
|
| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松枝 佳奈 九州大学, 比較社会文化研究院, 講師 (60870061)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2028-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
| Keywords | 比較文学 / 比較文化 / 日本近現代文学 / ロシア表象 / ロシア認識 / ソ連表象 / ソ連認識 / 比較文化史 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、日本近現代文学の諸作品に表れたロシア・ソ連認識およびその表象を、欧米や東アジアとの関係を視野に入れて、比較文学・比較文化史的観点から実証的に分析するものである。その独自性として、日露および日ソという二国間の文学・文化・社会関係のみならず、両国を媒介した欧米諸国と東アジアの文学・文化・社会関係も考慮する点が挙げられる。多くの近現代日本の文学者たちがロシア・ソ連を認識して表象する際、欧米と東アジアを射程に入れていた。とりわけ彼らのロシア・ソ連文学・文化に対する憧憬や、両国関係の展望への期待が、同時代の欧米や東アジアとの文学・文化・社会関係にも強く影響されていた点が解明されると予想される。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
令和6年度は、比較文学比較文化的な観点から、明治期から昭和期までの文学者たちによるロシア・ソ連表象およびロシア文学受容の解明に取り組んだ。特に森鴎外の文学作品におけるロシア表象と、後藤明生の講演にみるゴーゴリを介したドストエフスキー受容の実態を明らかにできた点は、重要な研究成果である。 前者については、2024年9月にルーマニアのブカレストで開催された国際学会Japan: Premodern, Modern and Contemporaryにて英語による口頭発表を行った。鴎外が短編小説「舞姫」や「普請中」「危険なる洋書」「沈黙の塔」「食堂」「かのやうに」におけるロシア表象を通じて、帝政ロシアの宮廷文化に対するロマンティックな憧憬や、ロシア文学への言及による検閲・言論統制への批判、帝政ロシアの政治や社会に対する風刺を表明していることを実証的に明らかにした。またこれは帝政ロシアに仮託した同時代の日本の政治・社会に対する密やかな批判の表明である可能性も提起した。現在、英語による査読付き投稿論文を執筆しており、2025年4月中に投稿予定である。 後者については、2025年3月に出版された『比較文学論集 日本・中国・ロシア』に寄稿論文として成果を公表した。これまでまとめられていなかった2010年以降の後藤明生の先行研究を網羅的に調査して、それ以前の先行研究とあわせて概括し、後藤明生に対するロシア・ソ連・ロシア文学の影響関係の解明がゴーゴリ作品への言及にとどまっており、十分でないことを示した。そのうえで、後藤の講演「百年後の小説家として」(1981)に着目し、後藤がゴーゴリのパロディー作家や喜劇作家としてドストエフスキーを評価しており、その過程にトゥイニャーノフらロシア・フォルマリズムのドストエフスキー論の直接的影響があったことを実証した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和6年度は、他の共同研究課題の研究遂行など、本研究課題以外の業務が多数あったため、査読付き論文を投稿できなかった点は課題として残った。しかし、国際学会での口頭発表と論文による成果発表を確実に行うことができ、おおむね順調に進展しているといえる。
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和7年度は、森鴎外によるロシア表象を英語の査読付き論文として投稿して成果を発表するほか、後藤明生と五木寛之を研究対象として、彼らの戦前の朝鮮における敗戦・引揚の経験とソ連およびロシア文学の影響との関係を明らかにし、国際学会での口頭発表と国際学会査読付きプロシーディングスの投稿を行う。さらに後藤明生のソ連経験とロシア文学の影響について分析を進め、査読付き論文の投稿を行う予定である。
|