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日本古代の内陸に立地する牧における塩分補給のための塩泉利用の追究

Research Project

Project/Area Number 24K04338
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 03050:Archaeology-related
Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

平野 修  帝京大学, 付置研究所, 研究員 (90620865)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 望月 秀和  帝京大学, 付置研究所, 研究員 (60643161)
大隅 清陽  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80252378)
栗島 義明  明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員(客員研究員) (60445864)
Project Period (FY) 2024-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Keywords内陸 / 古代牧 / 中世牧 / 牛馬 / 塩分補給 / 塩泉 / 製塩土器
Outline of Research at the Start

日本古代の内陸に立地する牧は、東日本地域に集中している。良馬を生産するには良好な飼料と塩分補給は不可欠である。しかし、岩塩がない日本列島で、しかも海に面していない内陸に立地する各牧においては馬への塩分補給の問題は未解明となっている。
近年、そうした内陸牧の近くには「塩辛い水」が自然湧出する塩泉が存在することがわかってきた。
本研究では、古代内陸に分布する各牧の現地踏査を踏まえて、各牧の構造復元を行うとともに、これまであまり注目されてこなかった「塩泉」に着目し、それが牧の牛馬の塩分補給に利用されていたことを考古学、文献史学、地理・地質学との共同研究によって総合的に解明するものである。

Outline of Annual Research Achievements

「塩」は、牛馬に限らず人間の生活の中でも必要不可欠のものである。岩塩がない日本列島では、塩は海水に頼るしかなく、古代社会においても海に面していない甲斐国や信濃国などの内陸では当然、海からの塩を必要としていたことは言うまでもない。
「岩塩がない日本列島で、海に面していない内陸に立地する牧では、牛馬への塩分補給はどのようにおこなわれていたのか。
日本古代の内陸に立地する牧は、主に都へ送る馬を生産した御牧(勅旨牧)が置かれ、特に東日本地域に集中している。御牧では良馬とされる馬が生産されており、そうした馬を生産するには「塩」は不可欠である。しかし、岩塩がない日本列島で、しかも海に面していない内陸に立地する各牧における牛馬への塩分補給の問題は未解明となっている。
近年、馬生産と関係があると目される内陸牧の近くには「塩辛い水」が自然湧出する塩泉が存在することがわかってきた。本研究は、古代内陸に分布する各牧の現地踏査を踏まえて、各牧の構造復元を行うとともに、これまであまり注目されてこなかった塩泉に着目し、それが牧の牛馬の塩分補給に利用されていたことを解明するために考古学、文献史学、地理・地質学との共同研究によって総合的に取り組むものである。
考古学では牧を構成する遺構・遺物群と牧に付随する周辺遺跡の内容(須恵器窯や炭焼窯など)を検討する。文献史学では、牧関連と馬生産に関わる史料を抽出する。地理・地質学では、牧の立地、塩泉湧出箇所、土壌など各牧に関連する諸要素をGISにより解析し、類型化を行う。たとえば塩泉の位置、黒ボクの分布、地形の傾斜度、斜面の向き、気温や降水量のデータ、海からの距離など、諸要素と牧の分布を重ねれば、各要素との関連性を明らかにすることができ、塩泉利用の評価につながると思われる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2024年度では、内陸に置かれた牧の実態を確認するため、地形図およびシームレス地質図をもとに古代信濃国の最大牧である望月牧の調査を行った。また、内国の甲斐国内では、山梨県内で現在掘削もしくは自然に掘削泉であるが湧出している塩泉箇所(本年は約17箇所)を訪れ、各箇所で塩分濃度計による塩分濃度の計測を行った。
その結果、望月牧の放牧地内はシームレス地質図によれば数万年前は「汽水層」つまり海水に浸かっていた場所であったため、現在、放牧地内多数の溜め池が存在するためその水の塩分濃度を計測したところ、すべて無反応であった。そこで地元住民の方に溜め池についてお話を聞いたところ、それら溜め池の多くは昭和に入って造られたもので、しかもその水は水道水を入れているとの事だった。しかし放牧地があった台地下では、牧に関わる地名が現在でも数多くみられたり、温泉施設に利用している塩泉の湧出が確認できた。
甲斐国内での調査では、古代の牧が置かれたと指摘されている地域で、塩分を含む温泉が湧出しているこが判明した。特に中央構造線に沿う南アルプス山塊の麓では顕著で、さらにこうした場所では、南アルプス市所在の六科丘遺跡の既往の発掘調査で見つかっていた性格不明とされた区画溝が、地元の史料にもみえる中世段階の「八田牧」の囲い溝であった可能性もわかってきた。

Strategy for Future Research Activity

2025年度も引き続き古代上野国(群馬県西部)や武蔵国(北武蔵・南武蔵)の牧遺跡の調査と塩泉湧出地の調査を行っていく。
課題として本務である地元の発掘調査に従事しなければならないので、課題研究の遂行に向けた調査の時間をどれぐらいとれる不安でかあるが、研究分担者・協力者との調整を図っていきたい。

Report

(1 results)
  • 2024 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2024

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] これからの日本律令制研究-その課題と展望-2024

    • Author(s)
      大隅清陽
    • Journal Title

      東西人文

      Volume: 24 Pages: 143-165

    • Related Report
      2024 Research-status Report
  • [Journal Article] 「〈古代史部会Ⅱ〉古代国家の変容と氏族秩序 コメント1」2024

    • Author(s)
      大隅清陽
    • Journal Title

      『歴史学研究』

      Volume: 1054 Pages: 59-62

    • Related Report
      2024 Research-status Report

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Published: 2024-04-05   Modified: 2025-12-26  

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