| Project/Area Number |
24K04543
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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| Research Institution | Chuogakuin University |
Principal Investigator |
野口 健格 中央学院大学, 法学部, 准教授 (00716780)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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| Keywords | レファレンダム / 住民投票 / カタルーニャ / 憲法 / 独立問題 / 自治州制度 / スペイン / 地域主義 / 直接民主制 / 国民投票 / スペイン法 / 憲法改正 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、住民投票(地域的レファレンダム)に関して、その直接民主的選択方式を採用することのリスクと問題点(昨今、国会の憲法審査会においては、あくまで法律論ではあるが勝つまで同種の政治的アプローチを取り続けることが可能であることが指摘され、ポピュリズムに訴えかける強引な手法で政治意思を正当化させ得る可能性があること)を指摘し、レファレンダムが本来予定している政治的な決着の結果として社会に「分断」という亀裂を生まないための新たな方法論を検討することを目的とするものである。本研究では、この点においてスペインのカタルーニャと日本の大阪を比較検討する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
当該年度(2024年度)は、論文公表(1本)、研究報告(3件(日本・2件、スペイン・1件))、研究調査(1回(バルセロナ))、国際学会への参加(1回(マドリード))が主な研究実績であるが、何よりもオビエド大学法学部に客員研究員(受入担当:Benito Alaez Corral(ベニート・アラエス・コラール)教授)として在外研究をしたことが最も重要な研究成果である。これら全てが当該研究課題と直接関係しているわけではないものの、本研究を含む研究者自身のスペイン法研究が大幅に進展したのはこの在外研究取得によってスペインの研究機関に所属し研究の機会を得たことの意義は小さくない。実際に、当該研究に関係するバルセロナ実地調査では、異なる意見の専門家を紹介してもらい実現したものであり、より客観的に情報を分析する上で重要な機会となった。また、当該研究課題についての知見をもつ現地の専門家を知ることもできたため、今後研究を進めるうえでの指針ともなった。 そもそも当該研究のテーマであるレファレンダムは、主権に関わる特定の問題の是非について有権者が直接投票することにより決定あるいは助言する制度であり、カタルーニャ自治州という地域は、これまでにも独立に関する住民投票が複数回実施されている特殊な状況にあるため、研究計画の早い段階で当地の専門家の意見を聴取できたことは意義深かった。引き続き、スペイン社会において直接民主的決定方法が社会に与える影響を明らかにし、この合意形成のための政治的手法が内包する法学的・社会学的リスクを分析することで、民主的制度が抱える課題を明らかにすることを目指す。その為にも、流動的なカタルーニャの政治状況(Ley de Amnistia(恩赦法)の成立に伴うカタルーニャ独立派への影響等)を逐次把握しておくことがより一層重要だと考えている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該年度(2024年度)は、申請時には想定していなかった在外研究(スペイン王国・オビエド大学法学部、期間:1年間(2024年4月上旬から2025年3月末))を取得し、本研究テーマの対象国内で研究をすることができたため、当初計画していた内容以上の進展があった。また、研究費の執行に関しても当地で不足が生じる可能性があったため、前倒し請求の手続きをとって対応(令和7年度以降に使用予定であった研究費の一部を令和6年度分にまわす)した。更に、欧米諸国を中心に物価高騰や円安の影響で海外における支出は当初の想定よりも多くなっており、今後も当面はこのような状況が続く見通しのようである。このような状況下で、毎年度渡航することが可能かどうかは現時点では不透明な状況になっているため、在外地(オビエド市)に滞在中である当該年度に可能な限り本研究課題を進めておくべきだと考えた。実際、当研究の想定地域であるバルセロナ市(カタルーニャ自治州)への調査を行ったこと以外にも、資料の収集や関係情報を想定以上に取得できたため、これらの要因が研究進展の理由の一つである。 以上の状況に加え、在外研究中に現地での研究環境や人間関係の構築もうまくいったため、研究初年度ではあるが、スペイン国内で研究発表を実施したり、研究の一部を日本国内で論文として公表したりするなどの成果に繋がっている。これらは全て、在外研究取得(研究者の周辺環境の変化)によって生じているため、本研究の計画段階においては想定していなかった状況である。このような副次的な要因が研究計画の進展を後押ししているものと考えられる。
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| Strategy for Future Research Activity |
日本に帰国後の2025年度(3年計画の2年目)は、研究論文の執筆や関連業績の公表を中心に研究を進める予定であるが、年度末が近くなった段階で当該研究課題の不足情報や資料の収集、専門家へのヒアリングを目的としてスペインへの再渡航を計画している。現在、当該研究課題に関して複数のカウンターパートや専門家と連絡を取れる状況にあるので、これらを活用して引き続き研究に取り組んでいく予定である。 また、国内では、住民投票の制度把握と住民投票条例を設置している自治体の状況を把握したうえで、大阪の事例に関するこれまでの国内研究を参照しつつ、「大都市地域における特別区の設置に関する法律」(平成二十四年法律第八十号)に基づく住民投票が大阪市において2015年5月17日と2020年11月1日に実施され特別区の区割り等を見直して大阪市を廃止し特別区を設置すること(「大阪都構想」)が否決される結果となっていることに鑑み、賛成派・反対派双方の関係者に意見聴取を行う予定である。そして、これらを初年度のスペインでの検討結果と照らし合わせる作業を行おうと考えている。 それ以降(研究最終年度)の状況に関しては、現時点では不透明(財政的に可能かどうか)であるが、可能(所属する研究機関の研究費等も併せて利用しする等)な限りスペインに渡航し現地の情報を踏まえた研究をすることが重要であると考えているため、渡航計画は検討する(前倒し支払請求申請時には最終年度の渡航計画は立案不可能と考えていたが、その後に学内研究費の取得が1件あった)。 以上、研究を遂行する上で多少の状況変化はありながらも、研究者自身の置かれた環境下で可能な限り工夫して進めていきたいと考えている。
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