| Project/Area Number |
24K09051
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 40030:Aquatic bioproduction science-related
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| Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古屋 康則 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30273113)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 湧生 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任研究員 (10965099)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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| Keywords | 性フェロモン / 求愛行動 / 排卵 / 尿 |
| Outline of Research at the Start |
メダカが産卵する際には、以下のような化学的なコミュニケーションを介した相互の認識が段階的に行われているという仮説を検証することを目的とする。 ①産卵が可能な雌は、自身が産卵可能であることを雄に知らせるフェロモンを放出し、雄はこれを受容して求愛行動を開始する。②雄が求愛行動を行う中で、雌が雄を配偶者として受け入れると、尿を介して合図を送り、これに対応して雄は「求愛円舞」という特異な行動を起こす。③雄は雌の鼻先で「求愛円舞」を行うが、この時雄は尿を介して雌に「包接」するという合図を送り、これによって雌は動きを止め、雄に包接され産卵に至る。
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| Outline of Annual Research Achievements |
雄が雌に対して求愛行動を行う際に、雄は求愛の対象となる雌が産卵可能であるか否かを見極める必要がある。ミナミメダカ(以下、メダカ)の雌は夏の間の繁殖期にはほぼ毎日産卵を行う。雌の放卵は雄による求愛行動とその後の包接によって促される。雄が産卵可能な雌に出会うと、初めは雌の後を泳ぐ「従い」や、横に並ぶ「求愛定位」を繰り返し、やがて雌の鼻先で回転する「求愛円舞」を行い、雌の体を背鰭と臀鰭で「包接」し、雌の放卵を促しながら雄は放精する。これら一連の求愛行動の誘起には視覚と嗅覚が重要であるとされてきたが、ともに根拠となる決定的な実験は行われていない。本研究では、嗅覚に焦点を当てて、雌から雄への嗅覚情報が雄の求愛行動の誘起に重要であることを証明することを試みた。 メダカの雌は一度の産卵でその日に排卵した卵を全て放出するため、一度産卵すると翌日まで産卵ができない。この性質を利用して、翌日まで産卵できない「産卵済み雌」を用いて、雄の産卵済み雌に対する求愛行動の有無や、様々な条件設定により得た「刺激水」の中での産卵済み雌に対する雄の行動を観察することで、何が雄の求愛行動を誘起しているのかを調べた。 その結果、雄は排卵した雌に対しては求愛行動をみせるが、産卵済み雌に対しては求愛行動を行わないことが示された。刺激水を用いた実験から、排卵した雌からは雄の求愛行動の前半に行われる「従い」を誘起する成分と、後半に行われる「求愛定位」や「求愛円舞」を誘起する成分という異なる2種類の成分が放出されていることが示唆された。排卵雌の尿を刺激水として用いると、雄の「求愛円舞」のみが誘起されたことから、排卵雌の尿には求愛の後半に行われる行動を誘起する成分が含まれていることが示唆された。膀胱内の尿量を調べた結果、排卵雌は未排卵雌や雄に比べて10倍以上の尿を蓄えていることが示された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メダカの雌から雄の求愛行動を誘起する嗅覚刺激が放出されていることが実験的に証明され、その刺激成分には異なる機能を持つ2種類が存在することを示す上で必要な検体数を揃えられた。また、排卵した雌から放出されている嗅覚刺激成分のうちの求愛行動の後半(求愛定位、求愛円舞)を誘起する成分は排卵雌の尿に含まれていることや、排卵雌が通常時に比べて著しく多量の尿を膀胱内に溜めていることを明示できた。この点について研究は順調に進展していると言える。ここまでの成果については学会での発表を行い、投稿論文の執筆が終了し、現在投稿中の段階である。 一方で、雄の求愛行動中の雌による尿の放出を可視化する実験については、猛暑の影響で屋外と実験室の温度差が大きかったためか、実験室内に持ち込んだ実験魚での産卵行動の観察回数が2検体にとどまり、本年度の成果として結果を示すには至らなかった。次年度には実験室の温度環境を整えることで、屋外飼育に頼らない方法に切り替えて、実験室内での観察に支障をきたさないよう、注意深く実験を実施していく予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和7年度は雄の求愛行動中の雌による尿の放出を可視化する実験を中心に実施する。尿の可視化にはフルオレセインを腹腔内注射する方法を用いる。あらかじめフルオセレインを注射された雌を用いた産卵行動の観察によって、雄の求愛行動中の雌の尿放出を観察する。前年度までの予備実験により、フルオレセイン注射の方法に関してはほぼ確立されたため、今年度は検体数を増やして雌の尿放出のタイミングと、尿放出による雄の行動の変化に焦点を当てた解析を実施する予定である。 雄の求愛行動の前半(従い)を誘起する成分の放出経路の候補として、排卵した雌の卵巣液と排卵雌の鰓からの放出を考えている。このうち卵巣液については、採取可能である。そこで令和7年度は、排卵雌から卵巣液を採取し、これを刺激液として用いた雄による産卵後雌に対する求愛行動の有無を検証する実験を実施する予定である。 排卵雌の鰓からの放出経路に関しては、雌の排卵を促すプロスタグランジンまたはその代謝物を想定した実験を令和8年度に実施する予定である。具体的にはプロスタグランジンそのものを刺激液として用いた産卵後雌に対する雄の行動の解析や、プロスタグランジンを注射された産卵後雌を用いた雄の行動の解析を行う。 令和8年度には「求愛行動中の雄が求愛円舞の際に雌に対して尿を放出している」という仮説を検証するための雄の尿放出の観察を実施する。また、もし尿が放出されていることが示されれば、雄の尿放出による雌の行動の変化について解析する予定である。
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