Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
カチオン性π共役化合物は,その特徴的な酸化還元挙動や光物性,刺激応答性から魅力的な化合物群である.なかでも,トリフェニルメチルカチオンの3つのベンゼン環をヘテロ元素などで架橋し平面固定化したカチオン性トリアンギュレンやヘリセンは高い安定性を示し,機能性材料としての応用に期待が集まる.一方でその画一的な合成法から,真に優れた物性の追求においてはアクセス可能な化学空間の狭さが大きな課題として挙げられる.これに対し本研究では,合成最終盤でのワンポットでのカルボカチオン導入反応を基軸とし,従来法では合成困難であった分子群の創出とその機能開拓を行う.