| Project/Area Number |
24K18139
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Basic Section 44030:Plant molecular biology and physiology-related
|
| Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 紘 名古屋大学, 理学研究科, 研究員 (70990977)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
| Keywords | FLP1 / 花成 / 茎伸長 / 光周性 / フロリゲン / シロイヌナズナ / 開花制御 / 遠赤色光 |
| Outline of Research at the Start |
植物の開花を制御する因子の同定や機能解析は非常に進んでいるが、一方でそれに伴う花茎の伸長がどのように協調的に制御されているのかという点については謎が多い。私達は最近、FLP1という低分子量のタンパク質が開花と花茎伸長を同時に促進することを見いだし、このメカニズムの一端を明らかにした。しかし、FLP1がどのような分子機能を有しているのかは未だ明らかになっておらず、本研究ではFLP1は転写因子を直接機能抑制する因子であると仮説を立て、研究を進める。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
野外で生育する植物の多くは日長や気温などの季節情報を感知し、適切なタイミングで葉を展開させる栄養成長から花成を伴う生殖成長への切り替えを行う。葉で感知された季節情報は、フロリゲンFLOWERING LOCUS T (FT)タンパク質によって、茎頂へと伝達され、植物の開花が誘導される。モデル実験植物であるシロイヌナズナでは、FT遺伝子は葉の先端に集中する篩部伴細胞で強く発現している。つまり、これらごく限られた細胞が植物の季節応答を実質的に制御しているといえるが、これらの特徴はほとんど明らかになっていない。そこで私たちは、TRAP-seqと呼ばれる組織特異的に翻訳過程のRNA量を網羅的に測定する技術を用い、当該細胞の特性を解析した。その結果、予期せずFTを発現する細胞では、FPF1-LIKE PROTEIN 1 (FLP1)という遺伝子が強く発現していることを見出した。FLP1は既知の機能ドメイン持たない僅か14 kDaの小さなタンパク質である。私たちは、機能未知なFLP1タンパク質の機能を詳細に解析した結果、FTとは独立に開花を誘導し、また花茎の伸長も促進することが明らかになった。さらに、FLP1の発現誘導には、FT遺伝子のマスターレギュレーターCONSTANS (CO)が必須であることも明らかになった。すなわち、FLP1は季節に応じて、COを介して発現が高まり、FTと共に開花誘導するのみならず、花茎の伸長を促すことで、生殖成長期に必要な形態の変化を助ける因子であることが明らかになった。また、FLP1の分子量が非常に小さいことから、FT同様に、茎頂へと輸送される因子であることが疑われた。そこで、接ぎ木や免疫染色などを用い、FLP1の移動性を証明することに成功した。本研究成果は、私を筆頭著者としてDevelopmental Cell誌に受理・掲載された。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はFLP1の発見から機能解析までの研究成果をまとめ、論文として報告することができた。また、現在FT発現細胞を対象としたシングル核RNA-seqに関する研究、またFLP1の移動を捉えるために開発した免疫染色法のプロトコル論文がそれぞれ査読中であり、着々と論文研究成果を積み上げられる状況にある。一方で、未だ明らかとなっていないFLP1タンパク質の機能を、相互作用因子として見出したWUSCHEL (WUS)を糸口に明らかする計画を立てていたが、後に得た実験結果より、計画の変更を迫られた。WUSとFLP1が強い相互作用示すことを見出したこと、またWUSはFLP1が発現を亢進させるSEP3遺伝子の発現を直接抑制することが報告されていたことから、研究計画段階ではFLP1がWUSの機能を直接的に阻害するモデルを想定していた。そこで、私は研究計画に則り、タバコ葉における一過的なプロモータールシフェラーゼ解析から、SEP3プロモーター活性に対するWUSとFLP1タンパク質の影響を精査した。その結果、WUSは期待した通りSEP3プロモーター活性を抑制したが、一方でFLP1が共発現してもWUSの転写抑制活性が弱まることがなかった。すなわち、これは仮説のようにFLP1がWUSの直接的な抑制因子として機能していない可能性を示唆している。そこで、現在はWUSに代わる他の転写因子に着目した研究を行っている。 また、当初計画していた質量分析を用いたFLP1との新規の相互作用因子の探索は、まだ実施しておらず、2025年度以降は着手する必要があると考えている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
FLP1とWUSの機能的な関係性を調査することを計画していたが、FLP1のWUSの転写活性機能に対する影響が限定的であったことから、現在は相互作用が確認されている他の転写因子との関連を調査している。当該転写因子は、花成と花茎の伸長を抑制することが報告されており、FLP1と機能が対照的である点が興味深い。現在は、FLP1と当該転写因子の二重過剰発現株を作出している。予備的ではあるが、転写因子の過剰発現による遅咲きが、FLP1によって抑えられるデータが得られており、FLP1との関連を調査する上で優良な候補因子であると考えている。 また、FLP1が花成などの機能を発揮するためには、特定の植物ホルモンを必要としているのではないかと考え、当該植物ホルモンの変異株を背景に、FLP1を過剰発現する実験を行っている。これまでに、ホルモン欠損変異体では、FLP1による花成誘導が起こらないことが予備データとして得られている。そこで、以降はFLP1と当該植物ホルモンがどの細胞種に、どのように作用することで機能を発揮するのか、組織特異的な解析を行い、それを足がかりにFLP1の機能を明らかにしたいと考えている。 また、上述の2つの研究方針を中心として推し進めるが、当初計画していた質量分析を用いたFLP1との相互作用因子の探索にも可能な限り着手するつもりである。
|