| Project/Area Number |
24K18228
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
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Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
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| Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塩谷 元 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (20838338)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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| Keywords | Necl-4 / 三者間シナプス / 抑制性シナプス / アストロサイト / 神経細胞 / 海馬 / GABA受容体 / ErbB4 / 抑制性神経細胞 / 低酸素 |
| Outline of Research at the Start |
申請者は前回採択された「若手研究」の研究過程において、細胞間接着分子であるNecl-4が抑制性神経細胞上の抑制性シナプスに特異的に局在し、Necl-4欠損マウスでは4種類のシナプスで障害が障害されていることを見出した。そこで本研究では、Dシナプスの機能と作用機構を理解するために、野生型とNecl-4欠損海馬神経細胞の単独培養系とアストロサイトとの二者共培養系を用いて、Necl-4による4種類のシナプスの障害と神経細胞死の保護機構を解明する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
脳内には興奮性および抑制性神経細胞が存在し、それぞれの軸索終末と樹状突起が接着することで、興奮→興奮(Aシナプス)、興奮→抑制(Bシナプス)、抑制→興奮(Cシナプス)、抑制→抑制(Dシナプス)の4種類のシナプスが形成される。これらの多くはアストロサイトの微細突起 (PAPs)と接着し、三者間シナプスを形成している。 研究代表者はこれまでに、これら4種類のシナプスおよびPAPsに局在する細胞間接着分子を同定してきた。その過程で、細胞間接着分子Necl-4がDシナプスにのみ特異的に局在していることに着目し、Necl-4欠損マウスを作製してその機能解析を進めている。予備検討の結果、Necl-4の欠損により生体および培養系の海馬神経細胞において、Dシナプスから始まり、B、C、Aシナプスの順に変性していくことが明らかとなった。これに伴い、まず抑制性神経細胞が、続いて興奮性神経細胞が死滅することも明らかとなった。以上の予備検討の結果から、DシナプスにおけるNecl-4が神経回路の恒常性維持に非常に重要な役割を果たしていることが示唆された。 今年度はまず、予備検討結果の再現性を確認した。さらに、Necl-4欠損マウス由来の海馬神経細胞培養系において、NMDA型グルタミン酸受容体拮抗薬MK-801によって神経細胞死が抑制されることを見出した。一方、Necl-4の細胞内領域を抗原としたウサギモノクローナル抗体を作製・評価し、Necl-4を特異的に認識する3種の抗体を選抜することにも成功した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Necl-4欠損マウス由来の海馬神経細胞培養系における、各シナプスの変性から神経細胞死に至るまでの過程のメカニズムについて、本年度は以下の作業仮説に基づいて研究を進めた。すなわち、Necl-4は同じ細胞膜上で受容体ErbB4とシスに結合し、その活性化を抑制している。しかし、Necl-4が欠損するとErbB4が過剰に活性化され、GABAA受容体の過剰発現が誘導される。この結果、抑制性神経細胞の過分極が生じ、Bシナプスに対する応答が低下するとともに、CシナプスからのGABA放出が減少する。これによりE/Iバランスが崩れ、興奮性神経細胞が過興奮状態となって過剰なグルタミン酸が放出され、最終的にグルタミン酸毒性による神経細胞死が誘導されると考えた。 今年度は、実験の試行回数を重ねて予備検討の結果の再現性を検証し、大きな表現型の傾向に変化がないことを確認した。これまで、AMPA型およびカイニン酸型グルタミン酸受容体拮抗薬CNQXと、NMDA型グルタミン酸受容体拮抗薬MK-801の併用により、興奮性神経細胞死が抑制されることを見出していたが、今回、CNQX単独では効果がなく、MK-801単独で細胞死が抑制されることが明らかとなった。 また、免疫電子顕微鏡解析をを行うため、Necl-4の細胞内領域を抗原としたウサギモノクローナル抗体を作製し、ウェスタンブロットと免疫組織染色により評価を行った。その結果、他のNeclファミリー分子には交差反応せず、Necl-4を特異的に認識する11種の抗体の中から、Necl-4欠損マウス組織でシグナルが消失し、かつ野生型組織で高いS/N比を示す3種の抗体を選抜することにも成功した。 このように、Necl-4による4種類のシナプスの障害と神経細胞死の保護機構を解明することを目的とした本研究は計画通りに進んでおり、順調に進展していると考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2025年度は、まず進捗状況の欄に記載したNecl-4の細胞内領域を抗原としたウサギモノクローナル抗体3種を共同研究先である東京大学大学院医学研究科の岡部繁男教授の研究室に免疫電子顕微鏡観察を依頼し、DシナプスにおけるNecl-4の詳細な局在を解析する予定である。 また、同じく共同研究先である大阪医科薬科大学病院臨床研究センターの栗生俊彦講師に依頼し、Necl-4欠損マウス由来および野生型由来の培養神経細胞の電気生理学的解析をしていただく予定である。具体的には、各マウス由来の神経細胞単独培養において、興奮性神経細胞と抑制性神経細胞それぞれの自発活動電位を計測し、作業仮説で予測したような現象がin vitro条件下で実際に生じているかを検証する。 さらに研究代表者は、予備検討の段階で、Necl-4欠損マウス由来の神経細胞とアストロサイトとの二者共培養系において、アストロサイトがNecl-4欠損による4種類のシナプス障害と神経細胞死を抑制することを見出している。このアストロサイトによるシナプス障害や神経細胞の保護作用についても、そのメカニズムの検証を行う。
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