| Project/Area Number |
24K18462
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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| Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
塚田 耕太郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 特任助教 (30992200)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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| Keywords | 細胞外クロマチン / DAMP / 炎症 / 自然免疫 / 自己免疫疾患 |
| Outline of Research at the Start |
真核生物のクロマチン構造の基本単位であるヌクレオソームは,ヒストンタンパク質とDNAの複合体として,通常は細胞核内に存在する。しかし,これらは細胞死の過程で細胞外に放出され,免疫細胞によって認識されることにより,炎症反応を惹起する。この炎症の過剰な誘導は自己免疫疾患などの原因となるが,細胞外ヌクレオソームがどのようにその特異的な免疫応答を引き起こすのか,詳細なメカニズムは不明である。本研究では,クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析により,細胞外ヌクレオソームと受容体の相互作用を明らかにすることで,未知である細胞外ヌクレオソーム認識機構の解明を目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
試験管内再構成ヌクレオソームの調製のため、ヒストンH2A、H2B、H3、H4から構成されるヒストンオクタマーを調製した。このヒストンオクタマーと、Widom 601配列からなる145 bpのDNAを用い、塩透析法によってヌクレオソームを高純度に精製した。リコンビナントLLT1については、ヒト由来細胞であるExpi293F GnTI-を用いた発現系によって精製した。ゲルシフトアッセイによって、試験管内におけるLLT1とヌクレオソームの結合試験を行ったところ、架橋処理を行った条件下において、LLT1がヌクレオソームに結合することが確認された。さらに、密度勾配遠心分離法を用いた分画によって、このLLT1-ヌクレオソーム複合体のクライオ電子顕微鏡サンプルを調製することに成功した。クライオ電子顕微鏡によってこの複合体の構造情報を取得したところ、解析の過程で、ヌクレオソームの周辺や、特にH2BのN末端テール領域に、LLT1由来と思われる電子密度が観察された。この結果は、LLT1がヌクレオソームと直接相互作用していることを構造的に支持するものであり、今後の詳細な原子分解能解析への足がかりとなる成果となった。 今後の研究によって、細胞外ヌクレオソームに対するLLT1の結合様式とその構造的基盤がさらに明らかになれば、自己免疫疾患におけるヌクレオソーム認識機構の理解が大きく前進すると期待される。特に、SLEのように自己抗原としてのヌクレオソームが病態形成に深く関与する疾患においては、LLT1-ヌクレオソーム複合体の構造情報は、疾患特異的な免疫応答を抑制する新規治療標的の同定に直結すると考えられる。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、2024年度段階では、LLT1とヌクレオソームの結合の有無およびその生化学的性質の検討を目的として計画されていた。しかし、研究の実施過程において予想を上回る順調な進展があり、構造解析が可能な段階にまで到達した。具体的には、当初困難が予想されていた高純度なリコンビナントLLT1タンパク質の調製に成功し、さらにLLT1とヌクレオソームとの複合体形成条件も早期に確立されたことが、大きな進展の要因となった。加えて、架橋処理を施した条件下で明確なバンドシフトが得られたことで、LLT1とヌクレオソームが直接結合し、構造解析に適した安定な複合体として調製可能であることが実証された。
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| Strategy for Future Research Activity |
細胞外ヌクレオソームがLLT1を介して細胞内にエンドサイトーシスされた後、エンドソーム内においてTLR9によって特異的に認識されることで、炎症性サイトカインやインターフェロンの産生を含む免疫応答が活性化されることが示唆されている。このように、ヌクレオソーム認識を介した免疫活性化カスケードの全容を解明するためには、TLR9-ヌクレオソーム複合体の構造解析が不可欠であると考えられる。今後は、TLR9の精製を目的として、LLT1と同様にExpi293F GnTI-細胞を用いた発現系により発現条件の最適化を行い、構造解析に適した高純度なTLR9タンパク質の調製を目指す。得られたTLR9を用いてヌクレオソームとの複合体形成を試み、クライオ電子顕微鏡構造解析を通じて、ヌクレオソーム認識後に誘導される免疫活性化機構の分子基盤を明らかにしたい。これにより、LLT1からTLR9に至る一連のヌクレオソーム依存的免疫活性化経路の全体像の解明に貢献することが期待される。
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