| Project/Area Number |
24K22034
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
Medium-sized Section 48:Biomedical structure and function and related fields
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| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 重成 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70604635)
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| Project Period (FY) |
2024-06-28 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
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| Keywords | 赤血球 / 進化 |
| Outline of Research at the Start |
なぜ哺乳類だけが赤血球から核を放出するようになったのか?本研究ではこのような生物学の謎に対して、従来にはない大胆な仮説を提唱し実証に向けた基盤構築を行う。本研究では酸素変動により生じる核移動型細胞死という現象の確立および核移動型細胞死の脱核への関与を追究する。赤血球以外にも血小板は無核であり、好中球は分葉核球を示しかつ好中球細胞外トラップという自身のDNAを細胞外に放出する現象も近年明らかになるなど、血球系細胞の核は極めて不思議である。赤血球脱核の追究は、血球系細胞の核という存在に対して革新的な理解をもたらすことが期待され、進化学のみならず基礎生物学・医学に新たなる転換をもたらす。
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| Outline of Annual Research Achievements |
赤血球は哺乳類において特異的に脱核している(正確には細胞内小器官全てが無い)。なぜ哺乳類だけが核を放出するようになったのであろうか?その明確な答えを人類は未だ知らない。応募者はこれまで誰も注目してこなかった内温(恒温)動物に特徴的な現象が、脱核理由の本質ではないかと考えた。それは血液循環過程における酸素(O2)変動である。温度維持のため内温動物は全身に毛細血管を張り巡らせ、また高い血圧が必要になる。これにより、血球系細胞は動脈から末梢静脈を循環する過程で高O2→低O2→高O2→・・・という劇的なO2変動に短時間のうちに曝される。急激なO2変動は活性酸素種(ROS)等の細胞障害性因子を産生させ、特に睡眠時無呼吸症候群で認められる間欠的低O2や虚血・再灌流障害においては、その毒性が広く認識されている。つまりあまり認識されていないが、血球系細胞は本来O2変動による障害を恒常的に受けているはずである。特に赤血球はヘモグロビンを介してROSの基質となるO2を多量に搭載しているため、甚大なるO2変動の影響を被ることが予想される。一般的に、ROSはDNAの損傷を介してがん化を誘発することが知られている。このようなリスクを回避するため、生体には多量のROSが存在するとアポトーシスを誘導して速やかに細胞を排除するシステムが備わっている。即ち、哺乳類赤血球はO2変動に伴う細胞死/細胞排除を起こさせないために、核放出という進化を遂げたのではないかと考えた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有核赤血球を持つ爬虫類であるカメの赤血球を用いて、酸素濃度の変動が細胞に与える影響を詳細に評価した。この研究では、酸素濃度が低い環境から高い環境へと段階的に変化するサイクルを繰り返し、合計で5時間にわたって酸素濃度が変動する環境に赤血球を曝露させた。具体的には、低酸素から高酸素に変化する環境を数回繰り返すことで、酸素の変動が赤血球に与える影響を評価した。結果として、酸素濃度の変動に応じて、赤血球が特徴的な形態変化を示した後に、細胞死が誘導されることが明らかとなった。この細胞死の様相は、カメの赤血球特有のものであり、同じ血液中の他の細胞、例えば白血球には見られなかった。また、赤血球に核を持たないマウスの赤血球においては、同様の酸素変動を加えても細胞死は全く誘発されなかった。このことから、有核であることが重要であり、細胞の種類に特異的な応答が関与している可能性が示唆された。さらに、酸素変動が誘発する細胞死のメカニズムを明らかにするために、抗酸化剤を使用してこの現象が抑制されるかどうかを検証した。その結果、代表的な抗酸化剤であるtroloxを赤血球に添加したところ、酸素濃度の変動によって誘発される細胞死の頻度が有意に低下したことが確認された。この結果から、酸素変動が活性酸素種(ROS)の生成を通じて細胞死を引き起こしている可能性が強く示唆された。以上の研究結果は、有核赤血球における酸化ストレスに対する感受性と、細胞死を誘導するメカニズムに関して、これまでにない新たな視点を提供するものであり、今後の研究において重要な指針となることが期待される。
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| Strategy for Future Research Activity |
酸素濃度の変動によって赤血球に細胞死が誘導される際、その主要な誘因として活性酸素種(Reactive Oxygen Species, ROS)が関与している可能性をより明確に裏付けるため、今後は過酸化水素(H2O2)など代表的なROSを赤血球に外的に添加し、それによって細胞死が引き起こされるかどうかを詳細に評価する予定である。この検討では、特に核の有無がROSに対する細胞応答性にどのような影響を与えるのかを明らかにすることを目的とし、核を有するカメの赤血球と、核を持たないマウスの赤血球とを比較対象として扱う。具体的には、同様の条件でROSを処理した際に、有核赤血球での細胞死が無核赤血球に比べて有意に高頻度で生じるかどうかを解析し、核の存在がROS感受性および細胞死誘導に果たす役割を検討する。 さらに、酸素変動によって生じる赤血球の細胞死が、アポトーシス(カスパーゼ依存性細胞死)やフェロトーシス(鉄依存性脂質過酸化による細胞死)、あるいはネクロプトーシス(RIPK3/MLKL依存的ネクローシス)といった既知の細胞死メカニズムに該当するのか、またはそれらとは異なる新たな細胞死様式である可能性があるのかについても包括的に検討する。これを実現するために、各種細胞死に特異的に作用する阻害剤を用いて、酸素変動によって誘導される細胞死の抑制が可能かどうかを評価し、どの経路が関与しているのかを解明することを目指す。 これら一連の検討を通じて、酸素変動によって引き起こされる赤血球の細胞死の分子基盤を、従来の枠組みにとらわれることなく多角的に明らかにすることを目指している。
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