| Project/Area Number |
24K22439
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Review Section |
0101:Philosophy, art, and related fields
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| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 喜市 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (71000486)
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| Project Period (FY) |
2024-07-31 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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| Keywords | 観光倫理学 / 徳倫理 / アリストテレス / 和辻哲郎 / 観光倫理 / 徳倫理学 / 倫理思想史 / 事例研究 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は、然るべき観光のあり方を問う「観光倫理学(tourism ethics)」研究の一環として、以下の二つを目的とするものである。(1)この分野における基礎文献の翻訳・紹介を通して、観光倫理学という学問の基本的特徴を明らかにする。(2)アリストテレスを中心とした徳倫理学についての「文献研究」と現代社会における観光についての「事例研究」を組み合わせることにより、理論と応用の両側面から、観光倫理学における徳倫理学的アプローチの有効性を検証する。
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、(1)応用倫理学における観光倫理学の位置づけおよびその基本的特徴を明らかにすること、(2)アリストテレスを中心に最新の徳倫理学の理論を参照して、それを現実の観光の場面に適用し、観光倫理の事例研究をおこなうことである。 研究初年度は、主として前者の内容に関わる研究を実施した。具体的には、トライブ編の論文集『観光における哲学的諸問題』の翻訳作業を進めるとともに、観光倫理学の基礎文献であるフェンネル『観光倫理学』やマキャーネル『観光の倫理』の再読・検討をおこなった。 また、9月には日本倫理学会第75回全国大会(於:京都大学)、12月には日本観光研究学会第39回全国大会(於:大阪成蹊大学)に参加して、観光倫理学や観光学における近年の潮流を掴むことができた。とりわけ、これらの学会でいくつかの研究発表を拝聴することを通して、「観光」概念についての理論的研究の重要さを再認識することとなった。 観光倫理学を論じるに当たって、まずは「観光」「倫理」「観光倫理」といったそれぞれの言葉・概念を精査する必要があるとの着想に至り、和辻哲郎『人間の学としての倫理学』の方法論に即して語義解釈をするとともに、同書で「人間」の意味に関連して示される社会と個人という対立軸に着目することで、「社会としての観光倫理」と「個人としての観光倫理」というかたちでフェンネルとマキャーネルの観光倫理学をそれぞれ特徴づけるという試みをおこなった。以上の内容を、論文「「旅をあじわう人間の学」としての観光倫理学:事例研究に向けた予備的考察」としてまとめた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたトライブ編の論文集『観光における哲学的諸問題』の翻訳作業については、今年度中にすべてを終えることができなかった。その分の時間をフェンネル『観光倫理学』やマキャーネル『観光の倫理』のテクスト本文の読解、また関連する研究論文の検討に当てた。 今年度の研究対象として、とくに観光倫理学と「応用倫理学」の関係に絞る予定であったが、「観光」という概念に着目して観光倫理学の特徴を明らかにするうえで、和辻哲郎やアリストテレスといった古典的な哲学者・倫理学者の理論を参照する必要が生じた。このような多少の路線変更はあったが、以上の研究をもとに一本の論文としてまとめることができたため、全体としては概ね順調に進行していると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
研究2年目は予定通り、(1)徳倫理の理論研究を踏まえて、(2)観光倫理学における応用(事例研究)に取り組む。 理論に関しては、とりわけ古代ギリシアにおけるアリストテレスの徳論を中心に扱うが、マッキンタイアやハーストハウス、さらにはヒュームやニーチェといった新しい徳倫理学についても視野に入れつつ、新たな「観光徳倫理」の構築を目指す。アリストテレスについては『ニコマコス倫理学』だけでなく『エウデモス倫理学』における議論にも着目し、観光倫理における「思慮(フロネーシス)」概念の射程を見定める予定である。またヒュームとニーチェについては、スワントンによる先行研究を参照しつつ、それぞれの徳倫理の応用を研究初年度に得られた「社会としての観光倫理」と「個人としての観光倫理」という枠組みに当てはめるという可能性を探ってみたい。 事例研究に関しては、以上の理論研究の内容を踏まえたうえで適用可能な事例を探す必要がある。国内における事例を扱うという方針は決定しているが、現時点ではまだ具体的に地域や業種などは定まっていない。実際に足を運びやすい東京近郊か、あるいは「大阪・関西万博」の開催されている大阪の事例が、ひとまずの候補である。
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