Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
心理学は,構成概念を用いて人の心の仕組みに関する普遍的な理論を作ろうとしてきた。しかし,その根本にある構成概念は社会構成的である,つまり概念の意味は社会・文化(地域だけでなく時代)によって異なることが報告されてきている。このことは,心理学理論の普遍性にとって問題である。そこで本研究は,構成概念の意味が歴史的にどのように変化してきたのかについて,日本の心理学を中心に社会・文化との相互作用や西洋心理学との差異に注目しながら,自然言語処理を用いて量的に検討する。本研究は,構成概念の社会構成性を提示することで心理学理論に関する哲学的な議論を喚起し,心理学のさらなる発展への端緒となることが期待される。