Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
認知症の約20%を占める血管性認知症は、有効な治療薬が存在せず、生活習慣の改善や高血圧治療等の対処が取られている。一方、認知機能障害を有する患者では脂質の酸化物が蓄積していることや、酸化脂質が神経細胞死やグリア細胞活性化を誘導することが報告されている。これまでに申請者は、脂質過酸化反応が本疾患の発症・進展に寄与しているのではないかと考え、脂質過酸化反応抑制剤が記憶障害やグリア細胞活性化を抑制することについて病態モデルマウスを用いて明らかにした。そこで本研究では、まず病態下で生じる酸化脂質種を特定し、続いて病態を制御する酸化脂質とその機能について解明することを目的とする。