Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
乳児ボツリヌス症は1歳未満の乳児がボツリヌス菌の芽胞を含む食品等を摂取し、腸管内で本菌芽胞が発芽・増殖し、ボツリヌス神経毒素を産生することで発症する感染症である。本邦での本疾患の報告は年間数例程度であるが、米国では乳児突然死症候群の患児のうち3-20%でボツリヌス菌が検出されたとの報告がある。従って本邦の潜在的な本疾患の件数は報告件数よりも多い可能性がある。本邦において本疾患に対する効果的な治療法は存在せず、本菌が排除されるまで呼吸管理等の対症療法を行うのみである。ボツリヌス菌芽胞の腸管感染機構を理解し、新たな治療法・予防法の開発につなげることは、医学および細菌学上重要な課題である。