| Project/Area Number |
24KJ1377
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 国内 |
| Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
|
| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 優 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-23 – 2026-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
| Keywords | 注意 / 感覚間相互作用 / 分割注意 |
| Outline of Research at the Start |
視覚情報とは異なり聴覚情報は簡単には遮断できないため,身の回りの音はしばしば現行の視覚課題への集中を妨げる。本研究では,まず,視聴覚へ同時に情報を呈示する心理学実験を用いて,どのような聴覚情報が妨害的であるかを検討し,音が視覚課題を妨害するメカニズムを明らかにする。また,聴覚情報の中でも特に注意を引きつける力が強い「予想から逸脱した音」の妨害効果に着目し,妨害効果が軽減するか否かは,課題への取り組みを強化する動機づけの種類に依存する可能性を検討する。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、視覚課題への集中が無関係な聴覚刺激によって妨げられるメカニズムを解明し、その妨害効果を軽減するための理論的基盤を構築することを目的としている。本年度は、先行研究で報告されてきた聴覚刺激による2種類の妨害効果について、それぞれが異なる課題特異性を示し、異なる認知的メカニズムに基づくという「二重メカニズム説」を支持する実験的証拠を得た。特に、文脈から逸脱した音(逸脱音)が、暗算課題および系列再生課題のいずれにおいても課題成績を有意に低下させることが確認され、当該効果が課題内容に依存しない、すなわち課題非特異的であることが示された。 一方で、一部の研究では、聴覚刺激が一般に動的かつ一過性であることから、視覚刺激よりも先に注意を自動的に引きやすいという「聴覚優位性」が報告されている。しかしながら、聴覚優位性を報告した研究は限られており、結果も必ずしも一貫していない。そのため、聴覚情報が提示文脈(逸脱音であるか否か)にかかわらず、常に視覚情報に対して優位性を有するかどうかについては、明確な結論は得られていない。そこで、視聴覚の識別課題およびオドボール課題を用いて、視聴覚分割注意時における感覚情報処理の優位性を検証した。その結果、オドボール課題においては聴覚刺激が視覚刺激よりも先に注意を引く傾向が見られた一方、識別課題では一貫した聴覚優位性は確認されなかった。これらの知見は、聴覚刺激が視覚情報よりも優先的に処理されるためには、単に聴覚的な性質を有しているだけでは不十分であり、文脈からの逸脱という要因が注意の捕捉において重要な役割を果たす可能性を示唆している。現在、本研究の成果は学術論文としての発表に向けて整理を進めており、次年度中の発表を予定している。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はまず、逸脱音による妨害効果が課題非特異的に生じることを、変化音との比較により明らかにし、その成果を論文として公表した。加えて、聴覚刺激が視覚課題から注意を引きつける現象が、逸脱音に限らず生じうるかを検討するため、聴覚刺激が視覚刺激に対して優位性を持つとする先行研究を再検討し、その結果を学会にて発表した。これらの検討を通じて、文脈から逸脱した聴覚刺激(逸脱音)が、課題内容や注意状況に依存せず視覚課題から注意を強く捕捉することが示され、妨害効果を軽減するために対処すべきメカニズムの理解が進んだ。
|
| Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に得られた研究成果を学術論文として発表するとともに、文脈から逸脱した刺激による妨害効果を軽減するための新たな研究に着手する予定である。特に、こうした妨害刺激を単に無視するのではなく、能動的に抑制する方略に着目し、これにより妨害効果をより効率的に回避できる可能性について検討を進める。
|