Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
ヒトの消化器官の発生は単純な一本の管から始まる.最終的に小腸や大腸の一部となる部分を中腸という.中腸はへその緒への侵入,回転,小腸ループの形成,腹腔への戻りからなる複雑な発生過程をたどる.しかしながら中腸の形態形成のメカニズムは十分に解明されていない.そこで本研究では「中腸の形態形成を決定づける要因は,中腸,腸間膜,卵黄腸管の力学的バランスの時間変化である」という仮説のもと,成長する中腸と周囲組織の力学的相互作用を数理モデル化し,数値解析によって形態形成の過程を再現する.さらに,胚を用いた実験によって数値解析の結果を検証し,中腸の形態形成と腸回転異常症の背景にある力学を解明することに挑戦する.