Project/Area Number |
25902008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
国語・国文学
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Research Institution | Hagoromo International University |
Principal Investigator |
森岡 ゆかり 羽衣国際大学, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 列女伝 / 女性 / 歴史 |
Research Abstract |
本研究は、『本朝彤史列女伝』について、1書誌学的調査、2作品論的研究、3伝記的研究を行うと共に、書籍とその作者の顕彰と普及を行なうことをめざした。 天理大学図書館本などの閲覧や文献複写を行い、白川琴水の生家である願生寺(岐阜県高山市)で史料調査を進めた。願生寺には三種のテクスト(甲本、乙本、丙本)が存在し、他の機関の所蔵本との校比によって、願生寺の乙本を定本として断じるに至った。なお、校比の結果、願生寺甲本が特異な本文を有することが判った。 甲本は、現在風に言えば、初校に当たり、誤字や不十分な説明表現を含んでいる。しかし、そのために却って、例話の多くが『大日本史』列女伝を原拠とするという作品論として重大な点が明らかになった。そしてそれは伝記的疑義についての核心に迫る糸口ともなった。 調査研究の成果は、第33回和漢比較文学会大会(2013年9月29日)で「白川琴水著『本朝彤史列女伝』について――『大日本史』列女伝との比較を中心に――」と題して発表し、研究発表要旨が『和漢比較文学』第52号に掲載された。さらに、顕彰と普及の活動として講演活動を2度行なった。まず、2013年10月20日、願生寺にて、「幕末明治の高山にスゴイ"歴女"がいた! ――『本朝彫史列女伝』を著した才媛白川琴水――」と題して講演を行なった。これは『高山市民時報』「街角掲示板」(2013年10月14日)で紹介された。次に、2014年2月8日、佐保会大阪支部にて、「文豪だって漢詩をよんだ――女性たちの場合」と題して講演を行なった。なお、『本朝彤史列女伝』に関するホームページを設けて研究成果の普及に資した。加えて、本研究の成果は、「白川琴水『本朝形史列女伝』についての初歩的考察――願生寺所蔵本を手がかりとして」と題して、飛騨学の会の研究紀要『斐太紀』通巻11号に掲載される。
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