グローバル教育が高校生に与えるインパクトに関する研究
Project/Area Number |
25907005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | 宮城県仙台東高等学校 |
Principal Investigator |
石森 広美 宮城県仙台東高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 生涯学習 / ライフスキル / コンピテンシー |
Research Abstract |
本研究の目的は、高等学校におけるグローバル教育が生徒に与えるインパクトを広く探究し、インパクトをもたらした要因分析を通して、可視化しにくいグローバル教育の成果を明らかにすることを目指した。研究方法は、卒業生へのアンケートと補足的インタビュー、および高校生への自己アセスメントシートである。主な研究成果は、下記の2点に集約される。 1. グローバル教育を受けた卒業生の学びの声を集積していくと、学習を通して、「コミュニケーション能力」や「メディアリテラシー」「問題解決能力」「考える力」「広い視野」あるいはf寛容・共感」、「積極性・責任感」など、汎用性に富む力が育まれていると認識されていることが分かった。現代の国際社会が必要としている21世紀型のコンピテンシーは、認知的能力のみならず対人関係的な能力や人格特性・態度なども含む人間の全体的な能力に及んでいる。こうした点を鑑みると、グローバル教育によって涵養される種々の能力は、「国際」的な事柄に限定されることなく、人間としてより良く生き、充実した人生を送る上で有用な幅広い力や姿勢を包含するものであると考えられる。言い換えれば、「ライフスキル」であり、生涯学習の基盤となる力である。また、多くの生徒がそうしたスキルや学びが卒業後も有効に機能していると自覚している。 2. グローバル教育が取り扱う概念や領域は広範囲に渡り、1つのイシューが多面的な要素を有し、時に矛盾する異なる立場の視点や複雑に絡み合う構造的な問題を含んでいる。したがって、それを思考する多様な活動を展開することにより、様々なスキルが涵養されていくと考えられる。また、教授学習方法にもその実現をサポートする大きな特徴がみられる。すなわち、生徒中心の、参加型の学習である。学習者は生徒同士の意見交換や話し合いの場が保障されていたことが、様々な学びを伸長する要因であったと評価していた。多様な意見にふれ、新たな視点を得たり、自らの考えとすり合わせて熟考したりすることにより、様々なスキルが磨かれていったと考えられる。また、授業やプログラムにおける教師のかかわり方や形成的で相互作用的なアセスメントもそれを後押しする素因となっていることがわかった。 今後、現役高校生に加え、質的研究として、卒業生のさらなる追跡を継続し、課題を探究し続けていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
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