不登校支援に対する養護教諭の思いと行動の意味の概念化
Project/Area Number |
25907010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
|
Research Institution | 千葉県立長生高等学校 |
Principal Investigator |
鵜澤 京子 千葉県立長生高等学校, 養護教諭
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 養護教諭 / 不登校 / 高等学校 |
Research Abstract |
本研究は、高等学校に勤務する養護教諭の不登校支援に対する思いと行動の意味について明らかにすることを目的とした。養護教諭を対象に半構造化面接を行い、得られたデータをコード化し、その後、カテゴリ化を進め、概念化した。その結果、575のコードは、364の「養護教諭の専門性コード」と211の「保健室の機能コード」に分けられ、現段階で暫定的にそれぞれ8のコアカテゴリ(概念)にまとめられた。本研究ではこれらを用いて養護教諭の不登校支援に対する思いと行動の意味の総体を説明する。 養護教諭は、不登校の生徒を「ありのまま受け止める態度と配慮」を持ち、「不登校の多角的な理解」から、「生徒の心身の状態の見極め」をし、「学校生活の適応への支援」につなげ「生徒の自己実現を踏まえた心身の育成」を図っていた。さらに、「生徒情報の集約」の役割を認識し「関係者と連携して対応するためのつながりの構築」を行い、「生徒の人間関係構築のための橋渡し」の役割も担っていた。そして、専門性を生かすため、保健室の機能に対して次の8概念を認識していた。それは、「生徒が体調不良を理由に活用するところ」、「ホッとスペースとしての機能の活用」、「一人一人の生徒と向き合うことが可能なところ」、「学校とのつながりを持てるところ」、複数の来室生徒がいる保健室の「サロン機能としての活用」と「ラウンジ機能としての活用」、そして「養護教諭がマネジメントする役割を持つところ」、「生徒が乗り越えた時巣立つところ」であった。養護教諭は自らの専門性、さらに保健室の機能を不登校支援に生かす認識を持ち、行動していた。これらの結果は、不登校支援に対する養護教諭の専門性と保健室の機能を明らかにする一助となるものであった。 しかし、質問紙調査で、経験年数や不登校の生徒の対応経験の有無により、認識や行動の意味にわずかに差異がみられた。今後、研究を進め、明確化していく必要がある。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)