Project/Area Number |
25907012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | 有明南小学校 |
Principal Investigator |
浦郷 淳 佐賀大学, 文化教育学部附属小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | パフォーマンス課題 / 体験活動 / 生活科 |
Research Abstract |
本研究の目的は、児童の体験学習での学びを現実的な課題として教科学習に結びつけ、児童の学習が接続するような方策について明らかにすることである。本研究では、体験活動を重視する生活科で学習した内容を中心とし、この中での学びを教科で活かす、また、逆に教科の学びを活かすような双方向的な学習になるような手立てについて「パフォーマンス課題」を取り入れ、2年生の児童に対する実践研究を通して明らかにしていくよう計画し、研究を進めた。 研究の中では、第1に、該当する学年に応じた意味のある体験活動の設定を行った。小学校の児童の発達段階、問題意識に応じた活動を取り入れ、自己の持つ問題点を整理・分析し、表現する過程において、教科学習を行うことへの必然性への道筋をつけていくようにした。必然性のある学びの中では、児童が意欲的に行動し、自ら課題を見つけていく姿を見取ることができた。 第2に、教科学習における「パフォーマンス課題」の設定を行った。これまでの先行研究をもとに「使われる知識やスキル」、「特定の課題や文脈」、「生み出された作品」という3つの構成要素を持つ課題を算数科において設定し取り組ませた。この中では、設定した課題について、生活科との学びの差について問う児童の姿が見られた。つまりは、生活科での学習内容と算数科での学習内容がリンクした瞬間であった。これらの児童の学習の姿や児童の作品から、教科学習を基盤としたパフォーマンス課題の有効性について明らかにすることができた。 第3に、体験活動と「パフォーマンス課題」との接続を図った。最初は指導者側で提示したパフォーマンス課題であっても、算数科の授業を進める中で、児童自身が体験的な学習で得た状況を使って作問を行ったり、既習事項ではない問題を作問したりする姿が見られた。このような姿が多々見られたことから、児童はパフォーマンス課題を提示された上で問題解決を進めると、自分で作問をするようになる傾向が見られた。生活科での体験的な学びが、パフォーマンス課題を通して、算数科での問題作りへとつながったといえる。 以上の3段階を、児童の実態に応じて修正しつつ実践する中で次のような成果と課題が得られた。 成果としては、児童は体験的な学習で学習したことをもとにパフォーマンス課題を提示することで、算数の問題という意識をあまり持つことなく解決に取り組む傾向があることを一定程度明らかにすることができた。また、そのパフォーマンス課題は、算数科における作問の学習にもつながりを持たせることができると明らかにすることができた。課題としては、第1に、児童がパフォーマンス課題を通して導き出した成果物が妥当であるのかというパフォーマンス評価を充実させていくこと。第2に、体験活動とパフォーマンス課題をより接続した単元を開発していくことである。
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