映像イメージリーディングの導入により、思考力・表現力を高める歴史学習の教材開発
Project/Area Number |
25907016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
北尾 悟 奈良女子大学, 附属中等教育学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 映像メディア / 歴史学習 / 思考力 |
Research Abstract |
1. 研究目的 : 本研究では、「写真」「映像」といった実写資料を積極的に授業に持ち込み、そうした資料に対して「目で見る→事実と異なるところを探す→事実と照らし合わせて議論する」という主体的・批判的手法による学習方法(「映像イメージリーディング」と命名)を導入した。それを通じメディアを読み解いて必要な情報を引き出し、分析・活用し、それをもとに表現していく能力を高めることのできる歴史学習の教材開発と教育実践を行った。 2. 研究方法 : 具体的には、前近代史・近現代史にわけて二つの方向から実践研究を実施した。前近代史学習においては、現代に残る風景を映像や写真に撮り、そこから歴史の真実に迫る学習方法(学会発表)と大河ドラマのシーンを用いて、そのシーンにある「歴史事実と異なる何かを探そう」という作業を通して、歴史の真実にせまる授業実践を探るという学習方法の開発を行った。一方近現代史において導入したのは、「映像の世紀」や「予言」といった実写資料のなかに疑問やなぞを発見し、それを入り口に当時の社会的背景(プロパガンダの実態や「なぜそうした結果にいたったのか」の考察)を話し合う学習を行った。 3. 研究成果 : 「映像メディア」への生徒の関心は高く、現代の中学・高校生にとって身近で取り組みやすくかつ彼らの歴史観に大きな影響力をもつ歴史資料の中心が「映像メディア」であることが本実践により確認できた。また近代以降の実写映像と「歴史ドラマ」映像ではアプローチの方法が異なるということも明らかになった。一方で、平城宮跡を対象とした実践では、写真・映像資料そのものが重要なのではなくて、その対象に「なぞ」を探し探究するという学習形態を導入することによって、思考力が高まる(生徒の自己評価も上昇)ことが明らかになった。「映像メディア」は、生徒の探究活動が組織される視点(探究課題)の設定があってはじめて効果的な教材となりうることが確認できた。
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Report
(1 results)
Research Products
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