タイと日本にルーツを持つ子ども達の社会的自立へのプロセスに関する実践的研究
Project/Area Number |
25907029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育学・教育社会学
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Research Institution | 大阪市立豊崎中学校 |
Principal Investigator |
矢嶋 ルツ , 中学校教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 外国人生徒 / 自己実現意識 / 実践的研究 |
Research Abstract |
本研究は日・タイ両国にルーツを持つ子ども達の「自己実現意識」確立を支援する手引書を作成し、具体的なアクションプランを両国教育現場へ提言する事を目標に、平成21年から5年間継続して実施した。 本年度は大阪市のタイ語母語教室のタイ出身の子ども達、タイ国チェンライ県のNGOタイ日国際児(TJC)センターの活動に参加するとともに、家庭訪問や関係者の聞き取りなど実践型研究を行った。 母語教室に加え、「こども会議」や「多文化スピーチ大会」などの活動では、高校進学や将来の展望が持てない子どもと親が大学・高校・中学校を超えた交流を通して、同じ境遇の先輩達の体験を知り彼らをロールモデルとして、長期的な目標を設定できる展望が得られた。 タイ国チェンライ県で、TJCの家庭訪問・聞き取りと現地NGOの自己実現意識確立支援として「自分史」を記録するワークショップなど先進的な取組みを調査した。その結果、国籍など法的な身分保障や経済的な問題が子ども達の「自己実現意識」確立に負の影響を与えている事が明らかとなった。 国内ネットワーク作りでは、横浜で活動するNGOの地域母語教室に参加し、母語教室で親が一定の役割を果たすことで親子の参加意識が高まることが分かった。 結論 : 日本に定住し「自己実現意識」を確立し社会的自立するこども達が育っているが、こども達がそれぞれの可能性を引き出せるかは、将来の具体的な目的を共有できる大人(教師、地域の指導者)の存在と保護者への働きかけが重要である。また、国籍や経済的な不安定さの影響を大きく受けており、家族に対する経済的精神的な支援も大きな課題である。 研究成果は、「多文化社会実践研究・全国フォーラム」「多文化センターセミナー」などで公開した。本研究で育った子ども達が、後輩たちが進路を考える際のロールモデルとして役割を果たし、社会的に自立する事を今後の課題にしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)