Project/Area Number |
25908009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | 東京都立農業高等学校 |
Principal Investigator |
大木 匡尚 東京都立農業高等学校定時制課程, 教諭/公立学校教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 「歴史的思考力」概念 / 教育課題校 / 歴史叙述としての授業実践 |
Research Abstract |
筆者は、本研究課題において、教育課題校に学ぶ生徒にとって意味を見出せる地理歴史科授業の在り方を探究すべく、以下の実践的・理論的・歴史的研究を実施した。 まず、教育課題校における臨床的研究を実施した。本務校(定時制課程専門学科)および兼務校(中高一貫教育校)の協力を得て、自らの授業のビデオ撮影を行い、その分析を通じて生徒の学習活動を臨床的に分析することに努めた。とくに本務校の生徒の授業の分析については、「横浜開港後の『浜街道』から俯瞰する19世紀後半の『世界』の叙述-教育課題校における地理歴史統合的授業の実践例-」(『中等社会科教育研究』第32号)として発表することができた。また東京都教育庁中高一貫教育校教科指導計画・教材集作成委員会の委員を委嘱されたこともあり、兼務校と本務校の授業を比較し、ミニマムの差異を報告書等に盛り込むことができた。 次いで、新課程版教科書の記述内容調査を開始することができた。その成果としては、「生徒の歴史的思考力の育成を目指す単元『世界史へのいざない』の授業構想一教育課題校における授業ミニマムの策定に関する考察-」(『都歴研紀要』第49号)として発表することができた。今後は小・中学校から高等学校まで全ての歴史関係の記述内容について検討していく課題が残る。 さらに、本研究課題に取り組む過程において、従来の社会科教育学において定義がまちまちであった「歴史的思考力」という鍵概念の調査の必要性を痛感した。過去の論者や実践者が「歴史的思考力」という概念をどのように取り扱ったかということの研究端緒として「『東京都社会科教育課程』(1955年3月)の成立に関する考察-中学校の部『歴史的内容を主とするもの』の分析を中心に」(『歴史教育史研究』第11号)として発表した。今後は、過去の社会科教育学関係の論考を本格的に調査・分析し、「歴史的思考力」概念の定式化に当たりたいと考えている。
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