L2ライティングにおけるL1の効果的使用についての実践的研究
Project/Area Number |
25908025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
塩川 史 奈良女子大学, 附属中等教育学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | パラグラフ・ライティング / ストラテジー / L1利用 |
Research Abstract |
本研究は、中等教育段階でのL2(英語)ライティングにおけるL1(日本語)の果たす役割について研究を進めることにより、L2ライティング技能を伸ばすために効果的なライティング指導法の研究を目的とした。 研究方法は、以下の通りであった。 (1)L2ライティングにおいて生徒がとるストラテジーを質問紙により調べた。 (2)ストラテジーと、L1における適切に表現し正確に読解する力、総合的なL2能力およびパラグラフプロダクトの関係を分析した。 (3)英語教育で成果を上げている国のライティング指導においてL1がどのように用いられているのかフィンランドで現地調査を行った。 研究を通じて以下の知見が得られた。 ・ライティング指導においてはプロダクトが注目されがちであるがプロセスの指導が大切であること。 ・L1, L2の力が十分にない学習者はL1からの逐語訳を試みる。 ・L2ライティングの際もL1で考えを整理してから書き始め、L1と照らし合わせながら書き進める学習者は、見直し/書き直しもよく行う慎重な書き手であるが、良いプロダクトを得るとは限らずまた総合的なL2能力も高いとは言えない。高いL2能力を持つ学習者はL1を使うストラテジーはとらない。 ・上記のことからL2ライティングにおいてL1利用を大前提とする「和文英訳」はライティング能力を伸ばすのに適切な課題とはいえない可能性がある。見学したフィンランドの中等教育学校ではライティングに特化した授業はなく、ふんだんなL2のシャワーを浴びる中で確かなライティングの力をつけているようであり、その指導法については多くの示唆を与えてくれそうだ。
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Report
(1 results)
Research Products
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