Research Abstract |
本研究の目的は, 思考力の育成と言語活動を重視する意味で, 「対話」を軸として単元を開発することである。そして, 「対話」を促すためにタブレット型端末等のICT活用の効果を探ることである。 子ども一人ひとりの体験や社会事象にかかわる知識を結び付け, 概念形成を支えるものが, 言語活動の一部としての「対話」である。子ども自身が書き記し表現したものを基にしながら, それぞれの気付き・考え・思いについて「対話」する活動を重視したい。子どもの内面にあって明確に認識されていない事柄について, 対話による言語化を通すことにより, 知識・概念として定着させる過程を単元として開発することに本研究の意義がある。 本研究の方法は, ①教科書・副読本の分析, 他校実践事例の収集・整理, ②本校における実践事例・単元プランの再検討, ③①及び②を踏まえた単元の開発である。①, ②, ③の各過程において, タブレット型端末の活用を視点として進める。 研究成果としては, タブレット型端末の活用による子どもの新しいコミュニケーションの姿が見られたことである。例えば, iPadに標準装備の「iMessage」を利用することによって, 個々のグループが調べて得た情報や意見, 考えなどを, その場で他グループに送受信することで, グループでの調べ活動と情報交換が同時に成立していた。このように, タブレット型端末を活用することで新たな対話様式が生まれ, 子どもの思考力育成に資する授業形態と単元プランを開発することができた。
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