Project/Area Number |
25908059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | 文部科学省 |
Principal Investigator |
小原 俊 文部科学省, 初等中等教育局, 教科書調査官
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 国語科教育 / 本土復帰以前 / 沖縄 |
Research Abstract |
戦後、日本へと復帰する以前の時期に沖縄の小・中学校の国語科教育においてどのような郷土(沖縄)を題材とする教材が教科書や副読本に採録されていたかを探ることを本研究の目的として設定した。その際、沖縄を日本の一部として位置付ける教育を目的とする国語科の教材であったか、本土復帰運動の中で郷土を題材とする教材やその取り扱いに変化はみられたか―の2点に着目し、収集した教材の分析・考察を行うこととした。 本研究では①東京圏における各種図書館の蔵書資料の閲覧と複写、新刊あるいは古書で流通している沖縄の国語教育関係の書籍、新聞・雑誌資料を収集・整理する②沖縄本島(主に那覇とその近辺)に赴き、教科書・副読本・プリント等、復帰以前の時期に使用された国語教育関係の資料を許可を得た上で閲覧・撮影し、電子化する―の2段階で分析・考察の対象とする資料を収集した。当初複数回を予定していた渡沖(前述②)は本務の多忙により1回にとどまった。また、沖縄本島における資料の撮影に当たっては所蔵先の状況を考慮し、デジタルカメラではなく非接触型スキャナーを使用した。なお、参考として当時学習者であった者に対する聞き取り調査も併せて実施した。 本研究を通して、占領初期の教科書教材について沖縄の風土を描写した教材、郷土の偉人を取り上げた教材等若干の独自教材が加えられたものの、大部分が第四期~第六期国定教科書の教材をそのまま採録していたことを確認した。この事実と並び、聞き取り調査および復帰以前の新聞・雑誌記事に含まれる回想等の分析から浮上してきたのは、日本本土から切り離されていたにもかかわらず早期から学校教育でいわゆる〈沖縄人〉としてではなく、日本人としてのアイデンティティ育成が図られていた可能性が高いという仮説である。その後の郷土を題材とする教材と取り扱いの変化については更に継続して追究すべき課題となった。
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