問題設定の授業による生徒の数学学習観の変容に関する実践的研究
Project/Area Number |
25909017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅱ(理科系)
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Research Institution | 都立大泉高 |
Principal Investigator |
倉井 庸維 東京都立大泉高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2013: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 問題設定 / 数学学習観 / 高等学校数学 |
Research Abstract |
○研究目的…問題解決後その問題を原問題として数値の変更, 条件や制約の変更等による問題設定を意図的に取り入れた授業を1年間実施することによって, 生徒の数学学習観が変容していく様子を調べることを目的とする。 ○研究の方法…週2時間, 筆者が担当した「数学A」の授業を受講している高校1年生70名を対象に, 高校入学時の4月に実施した質問紙による調査結果と, 市川ら(1998)の開発した学習観を測定する質問項目を活用した質問紙調査を1月に実施し, その結果を生徒個々について調べていく。加えて, 日々の学習状況から注目すべき生徒を決め, 変容の様子をレポートの内容, 授業中の取り組む態度から調べる。 ○研究結果…10月に課した「円と四角形の関係」より角度を求める公式を作成し証明する問題, 1月には「1次不定方程式」の問題の設定とその解法をレポートとして課し, その2つのレポートの分析結果から問題設定に意欲的に取り組む生徒2名を抽出した。彼ら2名の4月と1月の質問紙調査の結果から2名とも思考過程の重視の評価点が最高点であり, 学習観との関連性が示唆された。さらに, 4月の調査では数学に対して苦手意識が強く問題解決時には「すぐあきらめてしまう」と回答した生徒が, 1月のレポートでは積極的に問題提起をし, 思考過程を重視する学習観へ変容した。その一方で, 4月調査において質問「なぜそうなのか考えず暗記することが多い」(暗記主義)に対して肯定した生徒25名のうち, 1月調査でも14名は肯定しており, 学習観が変わらなかったことを示した。4月に暗記主義であると回答した生徒の1月における思考重視の平均点(-1.48)は, 思考重視の生徒の平均点(1.47)に比べて極端に低く, 思考重視への変容の難しさも示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)