Research Abstract |
1. 研究の目的 言語力を高めることを目指した探究活動の特徴、生徒の活動に対する教師の支援の方策といった観点から、イギリスの探究活動であるInvestigationの特質を分析する。さらには、その特質を生かした探究活動を高等学校生物の授業で実践し、言語力育成のあり方を実践的実証的に解明することを目的とする。 2. 研究方法 (1)イギリス科学教育におけるInvestigationの実践的特質について、言語力の育成、および教師の支援や評価基準に主眼をおいて先行研究を調査・分析する。さらに、その特質を生かし、高等学校「生物基礎」「科学と人間生活」の授業で探究活動を実践する。 (2)実践を総括し、Investigationが持つ可能性とその指導の特質を解明するとともに, 生物学的に探究する能力の育成、特に言語力の育成のあり方について考察する。 3. 研究成果 (1)Investigationでは、科学の方法をプロセスごとに体験・会得させ、探究のスキルそのものの向上が重視されている。実験レポートにおける文章表現の細かな評価基準、より論理的な表現へ改善を図るための授業の実施、ディスカッション等を通して生徒自らが考察を深める実践などが特徴的である。結果として、レポートでは実験の成功失敗ではなく、得られた結果の分析・考察が適確に表現されているか問われることになる。 (2)実験レポート作成時に、グラフ・文章等の効果的かつ適確な表現についてそのスキルそのものを学習する授業や、それに対するディスカッションなどの活動を探究活動に取り入れた。結果として、生徒のレポートの表現がより説明的・論理的なものとなり、特に言語による科学的な表現に深まりがみられた。
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