Research Abstract |
1研究目的 次の三点を具体的な目的とした。 ①学年・単元・学習内容に応じて、どのような探究のプロセスが必要か。それに伴い、その活動において「どのような書式」で「どのような内容」を書く必要があるかについて分析し、その系統性を明らかにする。 ②①に対応した、効果的な指導法を明らかにする。 ③地域や校内において①の系統性と②の指導法の共有化を図るとともに、その客観性と精度を高める。 2研究方法 学年ごと、特定の内容ごとに(事例的に)、書く内容、言語活動の水準を系統化し、それを実証的に確認した。さらに、学内、地域で共有化を図り、精度を高めていった。その際の「書くこと」の指導の手がかりは、イギリスのカリキュラム(ナショナル・カリキュラム、以下NC)の詳細な基準、さらにその手だてとした。また、学習内容ごとに必要な実験・観察のスキル(プロセス・スキルと呼ぶ)を設定し、学習の指導にあたり、その指導法の有効性を検証した。ここでの、実験・観察のスキル(プロセス・スキル)については「Shawn M. Glynnら著, 武村和重監訳『理科学習の心理学』, 東洋館出版社, pp. 230-234。」を参考に作成した。 3研究成果 現在の日本の教科書においては, 観察・実験は, 「知識を効率よく覚えさせるためのもの」という意味あいが強く、児童がどのような筋道で考えていくかを重視していない。しかし、観察・実験において、探求のプロセスを重視し、その過程を言語化するような学習過程を設定し指導していくことで、児童は筋道だった論理的な文章が書けるようになった。
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