知的障がいを併せもつ視覚障がい児のための点字導入用ワンタップ教材の開発
Project/Area Number |
25910006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育工学
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Research Institution | 三重県立盲学校 |
Principal Investigator |
北村 京子 三重県立盲学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ワンタップ教材 / カスタマイズ / 位置関係 |
Research Abstract |
本研究は、小学部4年生の知的障がいのある先天盲の児童を対象とした。対象児の興味関心が高い音を活用し、方向認知を養いながら点字配列である6分割の位置関係を学ぶことができる学習教材(以下、「ワンタップ教材」とする)を開発した。授業実践を通じて、子どもの実態に応じて教材のカスタマイズを行い、その教材の有効性を明らかにすることを目的とした。 パソコンのタッチパネルディスプレイを縦長に使用し、画面を6分割にした。全盲児の場合、ワンタップ教材の中で画面を分割したとしても、凹凸のないフラットな画面では全く判断ができないため、木枠に間仕切りを取り付けて、タッチパネルディスプレイの上に置く補助具を作成する工夫を行った。6分割の位置関係を把握することで、点字配列をイメージする手段の一つになるのではないかと考えた。 その結果は、以下の通りである。 ①ワンタップ教材の素材を対象児の興味関心がある音にしたため、初回から意欲的に取り組むことができた。 ②教材をカスタマイズしたことで、今まで取り組んできた課題を大幅に変更することなく難易度を高めることができた。具体的には、画面を2分割、3分割、4分割、6分割と分割数を増やし、左右上下中央などの位置を方向の名称で問う学習から、点字配列の位置を番号で問う学習に移行することができた。また、母音の点の配置や対象児の名前の点の配置の位置関係も学ぶことができた。 視経験がない対象児に対して、頭の中でイメージをもたせるためには、教材を工夫する必要がある。タッチパネル機能のパソコンに木枠の補助具を用いたことは、点字配列の位置関係を学ぶ契機となった可能性がある。ただし、実際の点字の読み取りには、触察の力を養うことが重要であり、点字を触る学習が必要である。 今後は、ワンタップ教材が、点字配列だけでなく、実生活の中でも位置関係を学習できる教材として応用が可能であるかを検討していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)