Research Abstract |
1 研究目的・方法 特別支援における図書の有効的な提示方法や環境設定について解明したいと考え, 活用しやすい環境つくりに努めた。児童生徒の様子を記録し検証を行う。 (1) 小学部 ①児童が大型紙芝居を教師に求めている場面があった。教師は高さ120cmの大型紙芝居棚から取って児童に読み聞かせを行う。(児童1名図書2冊/30分)(児童1名大型紙芝居1冊/約30分) ②紙芝居棚を代えたことで, ダウン症童数名が自ら大型紙芝居を手に取る場面が見られた。また, 複数の大型紙芝居があることにも気づき, 本を広げるようになった。 ③保護者, 担当教諭からのアンケートを元に蔵書を増やした。徐々に図書を手にする場面が増え, 児童が集まって図書を広げる様子が見られた。(児童4名図書5冊大型紙芝居2冊/30分) (2) 高等部 ①本棚はソファーから50cm離れていたため, 本を手にする生徒は少ない。 ②環境変化, 蔵書増数を行った。生徒作成の図書紹介やデジタルフォトフレームで新しい本を提示した。図書を手にしたり, 気に入った本を級友に紹介したりする場面が増え, 生徒がソファーに座って読書をする様子が見られた。(生徒3名図書3冊/10分) 3 研究成果 児童生徒の目線を追って環境を設定したり, 配架をしたりすることで, 読書をする場面が増えた。また, 興味・関心に沿った(高等部では生徒の希望)図書の配架により, 本に興味のある生徒が近くの生徒に図書を紹介する場面からも本自身への興味・関心を持てる環境つくりが行えたと考える。今後は生徒自身の配架や図書の整備を行ったり(高等部), 定期的に読み聞かせを行ったり(小学部)することでさらに充実した環境となるように実践を続けていきたい。
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