震災復興ボランティア活動を介した発達障害学生の社会参加支援プログラムの構築
Project/Area Number |
25911020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
特別支援教育
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
澤田 明子 いわき明星大学, 保健管理センター, 臨床心理士
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 発達障害 / 社会参加支援 / 特性理解 |
Research Abstract |
本研究の目的は、発達障害を含む社会性に困難な背景をもつ大学生の、社会参加を支援するプログラムを開発することにある。プログラムは学生相談室とボランティアセンターが共同で計画し、①個別相談、②SSTを基本としたグループワーク、③ボランティア活動の3つをコンテンツとして、10ヶ月間にわたって行われた。登録者数は26名で、グループワーク(全11回)の延べ参加者数は72名、ボランティア参加に至ったのは2名であった。アセスメントで明らかになったのは、精神疾患や不登校、家族関係のこじれなど、様々な問題を重層的に抱え、自己像の傷つきが著しい、「二次障害」が前景化した学生が登録者の過半数を占めることだった。そこでまずプログラムの軸を、社会場面にエントリーするための基盤強化に置いた。とくにグループワークは、参加の持続を最優先にし、特性に起因する問題や困難には段階的にアプローチする心理的安全性の高いグループの創出に配慮した。具体的には①ブレインストーミング法に基づく批判的意見の禁止、参加者全員の発言機会の保証、②小グループ化(1グループ2~3名)の徹底、③各小グループにファシリテーター配置、④脆弱性の共有、といった取り組みである。なお④は、発達特性に由来する困難感のチェックシートを記入後、ファシリテーターが「私たち皆、苦手なことはありますよね」と、問題や困難を「私たち」のストーリーとして、グループで共有するよう積極的に働きかけるものである。個別相談で自己像に言及するとき、過度に自罰的、他罰的な表現となる学生も、このグループ構造においては「自分もこれが苦手で…」と、シートを使って冷静かつ自発的に、苦手さや困難感を言語化することが出来ていた。このワーク後も継続的に個別相談を利用した学生のうち2名がボランティア活動にエントリーしたほか、自己の特性に合わせた活動の選択に前向きな姿勢を示していた。
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Report
(1 results)
Research Products
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