Project/Area Number |
25916003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球惑星科学
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Research Institution | 相模原市立博物館 |
Principal Investigator |
河尻 清和 相模原市立博物館, 学芸員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 愛川層群中津峡層 / 新第三紀礫岩 / 砂岩モード組成 |
Research Abstract |
研究目的 丹沢山地北縁部に分布する新第三系の愛川層群中津峡層石老山礫岩は、丹沢山地と関東山地の境界部に位置し、その礫の供給地を推定することは、伊豆-小笠原弧の衝突および付加過程を解明するにあたり重要な鍵となる。本研究は、不明な点の多い愛川層群中津峡層石老山礫岩に着目し、礫の供給地を求め、丹沢山地と関東山地の上昇過程を推定することを目的とする。 研究方法 愛川層群中津峡層石老山礫岩の礫を3地点よりそれぞれ約100個、採集した。採集した礫は肉眼観察により、岩石の種類を決定した。さらに、1地点を選んで、その地点で採集したすべての礫の岩石プレパラートを作成し、偏光顕微鏡観察により、さらに詳細な岩石の種類を決定した。プレパラートを作成した礫のうち、中粒~粗粒砂岩の礫を12個選んで、偏光顕微鏡下でのモード分析を行い、砂岩を構成する粒子の割合を求めた。モード分析にあたっては、カリ長石を染色し、1試料につき600粒子以上カウントした。礫の給源地を調べるため、関東山地に分布する砂岩との比較検討を行った。 研究成果 石老山礫岩を構成する礫の種類は、ほとんどが砂岩であり、頁岩やチャートをわずかに伴う。また、径20㎝程度の安山岩礫が極まれに含まれる。砂岩礫の多くのものは頁岩擬礫を含み、付加体起源と考えられる。砂岩礫を構成する砂粒をモード分析により検討した結果、石老山礫岩の砂岩礫は関東山地南部に分布する小仏層群や相模湖層群の砂岩と類似しており、石老山礫岩の礫はこれらの地層群より供給されたと推定できる。従って、石老山礫岩は関東山地南部の非常に限られた地域から礫が供給されたこととなり、石老山礫岩堆積時(約600万年前)に関東山地南部が急上昇したことが示唆される。その一方で、丹沢山地由来の礫が含まれないことは、丹沢山地はこの時期にはまだ上昇していなかったと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)