ライナーレス型CFRP製液体酸素タンクの材料開発とその評価
Project/Area Number |
25917028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅰ(機械系)
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
村上 清人 九州工業大学, 工学部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | CFRP / 液体酸素タンク / 液体酸素適合性 |
Research Abstract |
液体酸素タンクの構造材料を既存の金属から炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に転換できれば, タンクの軽量化に伴う大幅な輸送効率向上が期待できると考えられている. CFRP製ガスタンクについては, その多くがタンク内壁をライナー(内殻)で覆った構造となっている. その構造を液体酸素タンクに適用した場合, 液体酸素充填時にライナー/CFRP間で層間剥離を起こす可能性があり, また軽量化の観点からも不利である. 本研究は, ライナーレス型のCFRP製液体酸素タンクの開発を目的として, 液体酸素環境下でも適用可能なCFRP材料を選定し, その有用性を検証したものである. 下記に得られた知見の概要を記す. ①ABMA型衝撃試験機を用いた液体酸素適合性(着火性)試験 樹脂の中で着火性の無かった材料は, ポリイミド, PEEK, ポリカーボネート, 変成ビニルエステルであった. ポリカーボネートは炭素繊維との密着性が悪いため候補から外された. 炭素繊維に関しては, 黒鉛化度(P_1)が高いものほど着火性が低い傾向にあり, P_1>0.35で着火しなくなることが推定された. ②樹脂材料の極低温下における耐クラック性 変成ビニルエステルは液体窒素(-196℃)に浸しただけで多数のクラックが発生したため, 極低温用には不向きであった. ポリイミドとPEEKは, 液体窒素に100回浸してもガス透過率の顕著な増加は認められなかったため, 極低温下でも使用可能であると判断した. ③候補樹脂と炭素繊維の複合材成形とその評価 黒鉛化度の高い炭素繊維は脆くて毛羽が発生しやすいため, 樹脂との複合化が困難であった. よって, 今回は汎用型のPAN系炭素繊維を用い, ポリイミドならびにPEEKの複合材を成形した. ポリイミド製CFRPならびにPEEK製CFRPの液体酸素適合性試験を行った結果, いずれも着火する傾向にあることが判明した. よって, 樹脂のみならず炭素繊維についても着火性の無いものを用い, それらを複合成形する必要がある.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)