Research Abstract |
1. 研究目的 生活の多様化により慢性的な睡眠不足を訴える人が増加しており, 睡眠障害によるインシデントや事故がクローズアップされるなど睡眠障害が社会問題となっている. このような状況から, 睡眠に関する関心の高まりもあり, スマートフォンを使った睡眠記録アプリや家庭で睡眠の質を測定する睡眠計が販売されている. しかし, スマートフォンによる睡眠計は簡易的なものであり, 睡眠計はポータビリティについては考慮されていない. もし, 可搬性・精度に優れた睡眠計があれば, 長期出張中の社員や長距離ドライバーなどの体調管理をサポートすることで, 睡眠障害による健康被害や事故を未然に防ぐことができる. そこで, 可搬性に優れ簡単な操作で睡眠の質を可視化でき, しかも体に負担のかからないポータブル睡眠計を製作する. 2. 研究成果 睡眠計を製作するにあたり, ドップラーセンサや加速度センサなどの各種センサを使って体動を測定し, SDカードに観測したデータを記録した. また, それらセンサから取得したデータにより体動を検出し, 睡眠の状態を解析するアルゴリズムを作成した. しかし, 市販の睡眠計を基準として解析結果を検証した結果, まだ十分な精度で睡眠の状態を解析できていないため, さらなるアルゴリズムの改良を検討している. また, 季節によって利用している寝具等が変わるため, これらの影響についても検証する必要があると考えている。体動による解析結果を液晶モジュールにグラフィカルに可視化する予定であったが, 液晶を制御するドライバが未完成なため, 簡単な操作で睡眠の質を可視化することはできていない. また, 睡眠計を格納する筐体を3Dプリンタで作成することも検討していたが, これについても未完成である. 今後は睡眠の質をもとめるアルゴリズムの改良と液晶を制御するドライバの開発を継続して行う予定である.
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