Research Abstract |
本年度の研究では, ハンドの製作・改良および, ディジタル制御の講義(電気情報工学科5年生対象)をおこなった. まず, ハンドの製作は, 以前に製作したものに対し, より扱いやすいように, この実験を共同で行う学生とセッションした結果, 小型化するために設計変更した. また, モータのトルク不足により, 制御がうまくいかなかった経緯もあったため, 軽量化も考慮し, 大幅に図面変更して製作をおこなった. 次に講義では, 心電図検査用電極から取り込んだ筋電位をArduinoで処理してモータ駆動用の信号を作り, 手先具にあたるロボットハンドを筋電位の大きさに比例させて速度制御することを想定している. その準備段階となる教材開発として, 指定した回転速度になるようなフィードバック制御系をArduinoで実装した. 具体的には, エンコーダの信号(パルス数)から回転速度を算出する箇所と, フィードバック制御則を実現する箇所をプログラムし, 動作確認をおこなった. 本年度は, 総合リハビリテーションセンター等での筋電義手に関するディスカッションは, 都合が合わず実現しなかったが, その準備段階としての, 入力した電位をプログラムにより制御する部分と, モータにより動作する義手のモデルの製作の部分までが完了した。今後, 医療・福祉現場の研究者や義肢装具士等とのディスカッションを通して, 筋電義手開発における課題の把握や, さらなる改良をおこなう必要がある.
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