レリーフフォト法を応用した木簡文字鮮明化の研究 -平城宮出土木簡を中心にして
Project/Area Number |
25919014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅱ-B(情報系)
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
中村 一郎 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部写真室, 主任
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | レリーフフォト法 / 赤外線写真 / 木簡の年輪 |
Research Abstract |
1、研究目的 本研究は、古代のすがたを克明に伝える資料でありながら、長期間土中に埋まっていたために墨書部分が不明瞭な状態となっている出土木簡の墨書文字撮影に用いている赤外線写真法と、位相ずらし技術を使用した「レリーフフォト」法を組み合わせた新しい鮮明化技術の研究である。 本研究により、平城宮跡出土木簡および関連遺跡出土の木簡について樹種による検討も含めた文字鮮明化法に新たな判読手法を加え、木簡研究の前進に役立てることができる。 2、研究方法 研究にあたり、赤外線およびカラー撮影用に研究所にて製作した、特殊多波長同軸撮影レンズの改良をおこなった。また、事前情報収集として(一社)日本写真学会の開催する年次大会・画像保存セミナー等に参加し、画像処理技術の情報収集をおこなった。 改良されたレンズ・周辺機器を使用して、平城宮跡出土木簡約120点・関連遺跡として九州での出土木簡を中心として約50点の木簡を撮影し、画像処理をおこなった。 3、研究成果 本研究を進める上でポイントとなる技術の赤外線撮影と位相ずらしレリーフフォトにより、文字を不明瞭にする木地の黒ずみと年輪から墨書の切り分けを可能にすることができた。 レリーフフォト法は画像の濃淡境界に半透過画像を重ね、任意の方向に画像をずらして位相を逆転させ、濃淡エッジを強調する技法である。画像をずらす方向のコントロールにより、年輪部分を目立たせずに墨書のみを強調することが可能であることを確認した。 これにより、従来不明瞭なまま釈読していたために判読不明であった木簡の文字を、研究所史料研究室において釈読の再評価をおこなうことが可能となった。今後、平城官跡出土木簡および、許可の取れた関連遺跡出土木簡について木簡データベースにて公開・運用される予定である。 また、本研究で得られた技術は関連する学会・研究会での化表および研究出版物に掲載予定である
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Report
(1 results)
Research Products
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