Project/Area Number |
25921003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅳ(材料・生物工学系)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
武田 はやみ 名古屋工業大学, 非常勤研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ジオポリマー / 海水 / 強度 |
Research Abstract |
ジオポリマーはセメントと違って石灰石を主とする原料の加熱を必要としないため、二酸化炭素排出量を、セメントを製造する場合に比べて80%程度低減出来ると言われており、低環境負荷材料として世界的に注目されている。しかしながら、ジオポリマーを作製する際には高アルカリ溶液を用いるため、作製時には作業員の厳重な防護が必要である。また、アルカリを使用するためにセメント製造よりコストが高くなることがジオポリマーの普及の妨げにもなっている。そこで、海水を利用することによって、アルカリ水溶液使用料を減らしてジオポリマーを作成することを発案した。具体的には、海水の主成分であるNaClの添加効果を調べるために、NaCl水溶液を用いてジオポリマー硬化体の作製を行った。その結果、蒸留水の代わりに海水と同程度の3mass%-NaCl溶液を用いて作製したジオポリマーの圧縮強度が蒸留水を用いた場合とほぼ変化がないことが明らかとなった。また、10mass%-NaCl溶液を用いた場合には、蒸留水を用いた場合よりも圧縮強度が約50%増加することがわかった。すなわち、NaClの添加が強度を増加させることが確認された。XRDおよびEDS分析によって、10%-NaCl溶液を用いて作製したジオポリマー硬化体中にNaCl結晶が確認されたことから、この結晶の析出が圧縮強度増加をもたらした可能性も考えられた。また、NaCl溶液を用いて作製した硬化体中の塩素は、1日水に浸漬することで50%以上除去できた。しかしながら、1週間水に浸漬した後の硬化体からも塩素の溶出が確認され、水浸漬では完全な除去を行うことができなかった。そこで塩素をジオポリマー硬化体中に固定するために、炭酸銅の添加を試みたが、硬化体中に酸化銅が凝縮して析出し、著しく強度が減少した。今後は、硬化体中の残存塩素が環境に与える影響、また、海水中のNaCl以外の成分がジオポリマー硬化体に与える影響を調査することが必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
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