時間分解蛍光イメージングを用いた消去・改ざん文字の新規鑑定法の開発
Project/Area Number |
25922009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工学Ⅴ(その他工学)
|
Research Institution | 警視庁科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
鈴木 基嗣 警視庁科学捜査研究所, 研究員
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | パルスレーザー / 法科学 / 偽造文書 |
Research Abstract |
犯罪捜査において、文字を書いた後に黒く塗りつぶされ判読できなくなった消去文字を復元する鑑定や加筆などして文字を改ざんした部分を検出する不明文字鑑定は、犯罪に関わる重要な情報を取得し、違法行為を立証するのに役立っている。従来法の一つである筆記具インクの蛍光画像を用いた手法では、元の文字と塗りつぶしたインクもしくは加筆したインクの蛍光スペクトルの差を利用しており、スペクトルが類似している場合は識別が困難である。そこで、本研究では、波長と時間パラメーターを制御した時間分解蛍光(TRF)イメージングによる消去文字の復元・改ざん文字の検出のための光学系作製及び筆記具インクのTRFスペクトル測定を行い、蛍光寿命を見積もり、現場資料を想定した模擬サンプルについて検証した。 まず、光学レールや回転ステージなどの光学部品を組み合わせた不明文字鑑定専用のサンプル固定台を作製し、最大A4サイズの紙を固定し、任意の場所を撮影できる光学系を構築した。また、筆記具インクの光学特性を考慮した特定の可視域を検出するフィルターを設置し、紙に記載した文字の蛍光画像の取得を可能にした。さらに、撮影範囲を自在に変化できるズームレンズを光学系に導入した。その結果、最小3cm角、最大20cm角のエリアをワンショットで撮影することに成功した。次に、市販されているマーキングペンやボールペンを収集し、上質紙に記載したサンプルやペーパークロマトグラフィーにより分離したサンプルのTRFスペクトルを測定したところ、蛍光を示すマーキングペンの場合、蛍光寿命が数ナノ秒程度であることがわかった。さらに、それらの中には、蛍光寿命がマイクロ秒オーダーの長寿命成分を持つインクも存在することがわかった。この長寿命成分の有無に着目し、従来法では復元困難な消去文字のサンプルを作製し、本装置により消された文字の可視化に成功した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)