キク科トキンソウ属植物の系統分類,地理的分布,雑種形成および繁殖生態の解明
Project/Area Number |
25923003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物学Ⅰ(植物)
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
赤井 賢成 福井県立大学, 生物資源学部, プロジェクト研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | トキンソウ属 / 系統分類 / 雑種 |
Research Abstract |
近年、国内の干上がった池底等で確認されたトキンソウ属2新分類群について、国外の分布、本属全体の系統関係、日本産3分類群の雑種形成と繁殖生態等を明らかにすることを研究目的とした。 新分類群の国外の分布は国内外の主要な標本庫における調査、系統関係は分子系統解析により行った。メルボルン植物園(MEL)等の収蔵標本から葉サンプルを収集し、全16分類群の分子系統樹(ITS領域等)を作成した。外群には極東ロシア・アムール川で採集したイヌトキンソウSymphyl locarpus exilisを用いた。雑種形成の確認は、シーケンス波形を解析して行った。繁殖生態は訪花昆虫の観察、袋掛け実験および栽培株の交配実験により確認した。また、イヌトキンソウの採集に併せて、文献調査と植物相調査から極東ロシアと日本の植物相を比較した。 標本調査の結果、2新分類群は国外で採集記録はなく、日本固有である可能性が高まった。分子系統解析の結果、2新分類群は種レベルで区別できることが判明した。推定雑種のシーケンス波形を解析した結果、日本産3種は互いに雑種を形成していることが明らかになった。副次的な成果として、長年、分類学的位置が不明であったイヌトキンソウはトキンソウ属に近縁であることが判明した。訪花昆虫の観察、袋掛け実験および交配実験の結果、日本産3種は自殖でも種子生産が可能であり、浸透交雑と無融合生殖を行っている可能性も示唆された。極東ロシアと日本の植物相を比較した結果、1,216種類の共通種(419種類の雑草を含む)が確認され、日本の水田雑草の約1/3は極東ロシアにも生育していることが判明した。アムール川で確認された81種類の雑草うち47種類は日本と共通種であり、これらの中にはトキンソウ、オオアブメ、ヒシモドキなどの12種類の水田雑草、トモエソウ、オミナエシなど7種類の満鮮要素またはそれに準じる植物が含まれていた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)