Project/Area Number |
25923008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物学Ⅰ(植物)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 綾子 東京大学, 大学院理学系研究科, 技術職員
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥794,120 (Direct Cost: ¥794,120)
Fiscal Year 2014: ¥394,120 (Direct Cost: ¥394,120)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 花被の表皮細胞 / 撥水効果 / 走査型電子顕微鏡 / 形態形成 / 表面張力 / 表皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、種子植物における花被の表皮細胞の形態と撥水効果に関係する花被細胞の性質への影響を検証するため、2013年4月から2015年3月までの間に東京大学本郷キャンパス構内に開花した花(56科164種)からサンプリングを行った。これらについて、マイクロピペットを用いて1μlの水滴を滴下した際の水滴と接面の角度(接触角)を測定した。また、表皮細胞の微細構造を走査型電子顕微鏡で観察し、さらにTechnovit包埋した花被の横断切片を作製して光学顕微鏡による観察を行った。微細構造の観察により、花被表皮細胞の形状を「乳頭型」「レンズ型」「平型」に分類し、それぞれについて比較を行ったところ、乳頭型の細胞をもつ種は向軸側で29.7%、背軸側で14.8%であった。1981年にKayらが発表したもの(向軸側約70%、背軸側約30%)に比べてかなり低い頻度であることから、サンプリングを行った地域による気候の違いなどにより、細胞表皮の形態に違いが見られることが示唆された。また、水滴の接触角の比較から、乳頭型のものはより水滴を弾く傾向がみられた。また、上向きに咲く花では向軸側、下向きに咲く花では背軸側に乳頭型の細胞をもつものが多かったことから、雨などにさらされる面において、乳頭型の細胞にすることで撥水効果を高めていることが示唆された。さらに、平型の細胞でも、クチクラ層とみられる筋がある細胞においては水滴をより弾く傾向が見られた。乳頭型で筋があるものについては細胞の高さ/幅比が小さかったことから、筋がないものは細胞の高さを高くすることでより大きな撥水効果を生み出していることが示唆された。 また、ネパールのヒマラヤ地方に生育する7種の花弁について、上記の手法に倣い走査型電子顕微鏡を用いて表皮細胞の微細構造を観察し、水滴の接触角と微細構造との比較を行った。この結果はTaneda et al. (Annals of Botany, 2015 in press)において発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)