Project/Area Number |
25925017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
里見 重成 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | キヨスミミツバツツジ / さし木 / 増殖 |
Research Abstract |
〈目的〉 千葉県房総半島に自生するミツバツツジとキヨスミミツバツツジの2種は、1960年代から個体数が減少している。千葉県君津市では、2種を総称し「ミツバツツジ」として市の花に指定し、実生苗による増殖に成功したが、両種を区別なく扱っているため純粋な種の保全とはいい難い。また、異種のツツジ類が隣接して生育すると容易に交雑するため、種の保全という観点からさし木によるクローン増殖が望ましいと考えられる。また、さし木増殖方法が確立すれば安定した苗木生産が可能となる利点もある。本研究ではこれまでの条件について改めて再検討し、より発根率の高くなる最適条件を見出し、安定した増殖方法の確立を試みることを目的とする。 〈方法〉 さし穂は約70年生の個体から採取し、低温湿層処理をおこなった。さし付け時には発根促進のためオキシベロン(IBA0.4%)を使用し、原液に5秒浸漬する処理をおこなった。さし付け床は「ビニールトンネルさし区」「密閉さし区」の2通りを設け、遮光率60%の日除けをおこなう。摘葉は大葉1枚を残すものと小葉2枚を残すものの2通りとする。さし付けは6月中旬と7月中旬におこない、各区で温湿度ロガーを設置してさし木に最適な時期を見出す。冬季の養苗方法の検討をおこなう、さし木床に設置する対照区とビニールハウス内に移動するもの、移動後温床マットを使用するものの3通りとする。 〈結果〉 今回の試験では、ビニールトンネル区、密閉区の湿度環境で発根率が50%を超える区が確認された。湿度環境は両条件とも95%以上であることからキヨスミミツバツツジにおけるさし木は高湿度環境であることが極めて重要であると考えられる。さし付け時期による発根率においては、有意な差(p<0.01)がありキヨスミミツバツツジのさし付け時期は7月が有効であった。また、摘葉においても7月挿し付け大葉1枚を残す処理が最も発根率が高くなった。冬季の養苗については対照区では霜の影響でさし穂が浮いて根が露出するものが出ていた。ハウス内へ移動した2区は高温になってしまった日があり赤く変色しているものが見受けられた。現在はすべての区を路地に出し、経過を観測中である
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