Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 小児の急性リンパ性白血病(ALL)患者に対するメトトレキサート(MTX)を用いた化学療法は多くの症例において高い有効性を示す一方, 治療への抵抗性, あるいは強い毒性が発現する症例も存在し, 治療効果と毒性発現には患者間で個体差が生じることなども報告されている. MTXに対する耐性はジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子の増幅によるDHFRの過剰酸性によることも報告されており、DHFRもMTX治療の個体差に深く関与していることが示唆されている. そこで本研究では, 健常人ボランティアにおけるDHFR遺伝子多型および酵素活性の解析を行い, MTX治療への抵抗性、あるいは治療効果や毒性発現における個体差の原因を解明し, 個別化治療への応用の可能性を検討することを目的とした. 【研究方法】 1. DHFR遺伝子解析 ; 文書による同意を得た健常人ボランティア19名の血液サンプルを用いてDHFR遺伝子のイントロン1に存在するDHFR 19-dp deletionの解析をおこなった. 2. 健常人ボランティアの血液サンプルから細胞抽出液を作成し, 分光光度計を用いてDHFR標準液の酵素活性と比較することによりDHFR活性を測定した. 【研究成果】 DHFR遺伝子のうち, DHFR 19 deletionの解析方法を確立し, 解析可能とした. 日本人健常人において, DHFR19 deletionの頻度はwild/wildが10%, wild/delが45%, del/delが45%と既報の日本人での頻度とほぼ同等であり, AmericanやCaucasian, ltalianに比べ日本人ではdeletionのアレル頻度が高いことが明らかとなった. この遺伝子多型とDHFR酵素活性との関連性は明らかにできておらず, 他の遺伝子多型も含め更なる検討をおこなっていきたい.
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