印刷インクに含有する重合開始剤による発がん発症機序の解明
Project/Area Number |
25927008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅱ
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
正岡 康幸 岡山大学, 薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 重合開始剤 / 細胞毒性 / 有機溶媒 |
Research Abstract |
研究目的 : 最近, 印刷会社の従業員が胆のうがんを発症した報道がされた。その原因は, ジクロロメタン(DCM)およびジクロロプロパン(DCP)とされている。我々は, 以前の研究でインクに含有する重合開始剤がヒト末梢血単核球を死滅させることを突き止めた。すなわち, 印刷会社特異的な材料であるインクも発がんに関与していることが推察される。そこで我々は, DCMおよびDCPの細胞毒性に対する重合開始剤の相加・相乗効果について明らかにすることとした。 研究方法 ; 96wellプレートに細胞(MRC-5)を1×10^3 cells/well播種した。対象薬剤を添加後37℃, 5%CO_2下24時間培養した。その後, 5mg/mL 3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyltetrazolium bromide (MTT)を10μL添加し37℃, 5%CO_2下で培養した。3時間後, 上清を吸引除去し, DMSO 100μLを添加した後, マイクロプレートリーダーを用いて蛍光強度(570nm)を測定した。評価は, 対象薬物非接触群の蛍光強度を100%とし, それに対する比で細胞生存率を算出した。 研究成果 : 10mM~50 mM DCP単剤接触において, 用量依存的な細胞死を認めた。一方, DCM接触では細胞死を認めなかった。また, DCP+重合開始剤2,2-DMPAP,1-HCHPK,MBBあるいはMTMP併用群において, 相加・相乗効果を認めた。本成果は, 今まで因果関係が不明瞭であった発がんの原因解明の手掛かりになることが期待される。また, 印刷会社特異的な発症に対する予防策の確立におけて非常に重要な情報になり得ると考える。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)