Project/Area Number |
25928004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江角 悟 岡山大学, 岡山大学病院, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | デュロキセチン塩酸塩 / 強制水泳試験 / 酸化マグネシウム |
Research Abstract |
研究目的 : 本研究の目的は、酸化マグネシウム併用時のデュロキセチン塩酸塩(以下、デュロキセチン)の薬効低下の有無を明らかにすることである。これまでの研究代表者らの研究成果から、臨床的に使用される量のデュロキセチンと酸化マグネシウムを水中で共存させた場合、デュロキセチンの濃度が著しく低下することを明らかにしている。つまり、デュロキセチンと酸化マグネシウムを同一溶液として経管投与、あるいはこれらの薬液を同時投与した場合、デュロキセチンの薬効が減弱する危険性が考えられた。本研究では、生体におけるデュロキセチンの抗うつ様効果に対する酸化マグネシウムの影響を評価した。 研究方法 : 研究には強制水泳試験法を用いた。デュロキセチンと酸化マグネシウムをラットに同時経口投与し、強制水泳試験法における不動時間を測定した。酸化マグネシウムの投与量は、共存溶液中でデュロキセチン濃度を十分に低下させる酸化マグネシウム量とした。強制水泳試験の終了後、直ちに断頭採血によりラット血清を採取し、高速液体クロマトグラフィーを用いて血清中デュロキセチン濃度を測定した。 研究成果 : デュロキセチンを単独で投与した場合、用量依存的な抗うつ様効果(強制水泳試験における不動時間の短縮作用)が認められた。また、デュロキセチンと酸化マグネシウムを同時投与した場合にも、デュロキセチン単独で投与した場合と同様の抗うつ様効果が認められた。つまり、酸化マグネシウムの同時投与は、デュロキセチンの抗うつ様効果に影響を与えなかった。さらに、血中濃度を測定した結果、酸化マグネシウムの併用はデュロキセチンの血中濃度に影響を与えなかった。以上のことから、詳細なメカニズムは不明であるが、共存液中でデュロキセチン濃度が低下していた状態でも、デュロキセチンの吸収には影響なく、十分な薬効を示す可能性が示唆された。
|