C型慢性肝炎治療におけるテラプレビルの血中濃度測定法の構築と臨床活用
Project/Area Number |
25928020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西岡 由貴 京都大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | C型慢性肝炎 / テラプレビル / 免疫抑制薬 |
Research Abstract |
【研究目的】 C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法は、インターフェロン(IFN)とリバビリン(RBV)の48週併用が標準とされているが、日本人での治療効果は十分では無かった。テラプレビルは、C型慢性肝炎における治療効果の更なる向上及び治療期間の短縮化を目的として開発された抗ウイルス薬であり、IFN及びRBVとの併用によりウイルス排除率が増加することに加え、IFNとRBVの併用療法が無効であった例にも奏功が見られるなど、C型慢性肝炎の治療戦略において大きな期待を集めている。テラプレビル上市後の使用患者数増加に伴い、臨床試験において観察されていた副作用以外の有害反応が問題となっているが、これらの予測や検出、対処に関する情報は殆ど無い。そこで今回、テラプレビルの抗ウイルス活性並びに副作用発現に関わるメカニズム解明には、臨床症例におけるテラプレビル体内動態特性の解明が必須であると考え、テラプレビル血中濃度測定法の構築と臨床活用を目的として本研究を実施した。 【方法】 2012年10月以降、肝移植後のC型肝炎再燃に対してテラプレビルが服用開始となった4名を対象とした。テラプレビル開始に伴い、全例で、免疫抑制薬をタクロリムスからシクロスポリンへ変更した。タクロリムス血中濃度はCLIA法、シクロスポリン血中濃度はACMIA法にて測定を行い、テラプレビルの血漿中濃度測定用に採取した末梢血は、血漿を分離して速やかに冷凍保管したものを用いてLC-MS/MS法にて測定することとした。本研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会の承認を得て実施した。 【結果・考察】 テラプレビル開始後もシクロスポリン血中濃度を慎重にモニタリングすることにより、拒絶反応が出現すること無く12週間のテラプレビル服用を完遂することができた。血漿中テラプレビル濃度をLC-MS/MSで測定したところ、投与開始後速やかに定常状態に落ち着くこと、テラプレビルの投与終了後速やかにCYP3Aを介した薬物相互作用は解除されることが認められた。今後本4症例で集積した結果を中心に、テラプレビルのPK-PD解析に繋げる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)