肺移植患者におけるミコフェノール酸の血中濃度に与える影響因子解析
Project/Area Number |
25928024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松永 典子 長崎大学, 長崎大学病院 薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2013: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 肺移植患者 / ミコフェノール酸 / 臨床検査値 |
Research Abstract |
【研究目的】 ミコフェノール酸モフェチル(MMF)は各種臓器移植で幅広く使用されているが、近年、薬物動態の個体差および個体内変動が報告されている。しかし、肺移植時におけるMMFの活性体であるミコフェノール酸(MPA)の薬物動態や、その血中濃度測定の臨床的意義に関する検討は非常に少ない。そこで、維持期の肺移植患者におけるMPAの薬物血中濃度と臨床検査値との関連を調査し、血中濃度に与える影響因子を解析する。 【研究方法】 2011年9月~2013年7月に、長崎大学病院でMPA血中濃度が測定された肺移植患者4名(全例タクロリムス併用)を対象とした。採血ポイントは、移植後3ヵ月以降のトラフ値とした。血中濃度測定にはラテックス免疫凝集阻害(PETINIA)法を用いた。MPA測定日の各種臨床検査値(血小板(PLT)、赤血球(RBC)、血清アルブミン(Alb)、血清クレアチニン、尿素窒素(BUN)など)を調査した。MPA血中濃度が高値であった1点は外れ値として除き、SPSS (Ver. 22.0)を用いて統計解析を行った。 【研究成果】 MPA血中濃度は、0.84±0.71μg/mLと低値で推移していた。各種臨床検査値との相関解析を行ったところ、Alb、BUN、PLT、RBCで有意な相関が認められた。肺移植患者においても、他臓器の移植患者と同じく、低Alb血症は遊離型MPAを増加させ、クリアランスが増大することによりMPA血中濃度を低下させていることが示唆された。BUN、PLTおよびRBCがMPAの薬物動態に直接影響する機序は不明だが、症例数が少ないことから特定の患者に影響されている可能性も考えられる。症例を蓄積してさらに検証する必要がある。また、MPA血中濃度が低値で推移していたことから、肺移植の長期予後への影響についても調査を行う必要性があると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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