腹膜透析による薬物除去機構に基づくバンコマイシンの薬物動態モデルの構築と評価
Project/Area Number |
25928025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅲ
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 優希 東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2013: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 腹膜透析 / 薬物動態モデル / 投与量設計 |
Research Abstract |
腹膜透析(PD)導入患者にバンコマイシン(VCM)が投与されることも多いが、VCMはPDによつて除去されるため、PDによるVCM除去の影響を考慮した投与量設定が必要である。しかし、一般的なガイドライン等に記載された推奨投与量は用量幅が大きいにも拘わらず、その変動要因に関する情報はほとんど記載されていない。加えて、適切な薬物動態モデルが構築されていないことから、患者毎に大きく異なるPD実施条件とVCMのクリアランス(CLvcm)との定量的関係については検討が進んでおらず、PD導入患者に対するVCMの最適投与量設計は困難である。そこで、本研究ではPD実施条件を定量的に組み入れることが可能な薬物動態モデルであるPDモデルを構築し、PD導入中にVCMの投与を受けた患者の薬物動態解析に適用することで、その臨床的有用性を評価することを目的とした。 まず、解析対象患者11名のうち2点以上の血清中VCM濃度測定値が入手可能であった5症例を対象に、初回測定値に基づくPDモデルを用いたフィッティングによる血清中VCM濃度予測値と実測値を比較したところ、実測値の85.7%を0.67~1.5倍の範囲内で予測することが可能であった。さらに対象患者11名のPD実施条件および背景情報を基に算出したCLvcm予測値と対応する実測値を比較したところ、11名全てを0.5~2.0倍の範囲で予測可能であった。 さらに、CLvcm予測値に基づきPD実施条件に応じたVCMの推奨投与量一覧表を構築したところ、一般的なガイドラインでは大きな幅を持って示されている推奨投与量を、PD実施条件に応じて明確に区分することが可能となった。これらの結果から、本研究で構築したPDモデルを上述のVCM推奨投与量一覧表と合わせて利用することで、PD導入患者における適切な血清中VCM濃度コントロールが可能となると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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