ボルテゾミブ末梢神経障害モデル動物による保護薬物の探索研究
Project/Area Number |
25929029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白濱 雅史 九州大学, 大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ボルテゾミブ / 末梢神経障害 / 鎮痛補助薬 |
Research Abstract |
抗がん剤の副作用である末梢神経障害(手足のしびれ、疼痛、感覚異常等)は、がん治療を継続する上で大きな妨げとなっている。近年承認され、多発性骨髄腫に対して良好な治療成績を示しているボルテゾミブも高い確率で末梢神経障害を引き起こし、臨床現場で大きな問題となっている。しかし、その発現機序は不明瞭であるため、有効な対応策も確立していない。本研究ではボルテゾミブによる末梢神経障害の動物モデルを作成し、有効な保護薬剤の探索を行った。 SD系ラットにボルテゾミブを反復投与(2㎎/㎏, 週に2回、2週間投与)し、末梢神経障害の症状(疼痛行動)をvon Frey試験で評価した。また、ボルテゾミブ投与により疼痛を発現したラットに対して、一般的に広く鎮痛薬・鎮痛補助薬として用いられているデュロキセチン(3-30㎎/㎏)、プレガバリン(0.3-3㎎/㎏)、アミトリプチリン(3-30㎎/㎏)、メキシレチン(10-100㎎/㎏)、トラマドール(1-10㎎/㎏)、ジクロフェナク(3-30㎎/㎏)をそれぞれ経口単回投与し、疼痛行動の変化を観察した。 ボルテゾミブを反復投与したラットでは、von Frey試験における痛み閾値の低下が見られ、末梢神経障害性疼痛が発現していることが確認された。これに対し、デュロキセチン、プレガバリン、メキシレチン、トラマドールの単回投与は、投与量依存的かつ一時的な痛み閾値の回復が見られた。一方で、アミトリプチリンおよびジクロフェナクの投与は、痛み閾値の回復効果を示さなかった。 以上より、ボルテゾミブによる末梢神経障害の症状(特に疼痛)に対して、デュロキセチン、プレガバリン、メキシレチン、トラマドールなどの薬剤が対症療法として有効であることが、動物レベルで明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)