グリコサミノグリカン(GAG)は2種類の単糖が交互に繰り返す基本骨格に硫酸化、エピマー化などの修飾を有する、ヘテロ性の高い糖鎖である。変形性関節症(OA)、ムコ多糖症、動脈硬化症、癌などの疾患や加齢に、質的もしくは量的変化を介する、GAGの機能変化が関係していることがわかっている。OAや腰痛など整形外科領域での疾患の発生機序の解明・治療・予防などについて研究する目的で、これまで申請者がタンパク質の修飾の解析に用いてきた方法である質量分析法を応用し、生体試料におけるGAGの網羅的解析のための方法の確立をめざした。 ①破砕器具の導入、タンパク消化酵素の検討を行い、生体試料を完全に可溶化してGAGを抽出する条件を確立した。 ②これまでに検討していたLCと質量分析を組み合わせた網羅的解析法で、ブタ軟骨や靭帯中のGAGを一斉解析した。 ③第40回BMSコンファレンスに出席し、質量分析の方法について情報収集を行った。 ④今年度の結果を「第25回生物学技術研究会・第36回生理学技術研究会」において発表した。 ⑤23年度の研究結果とあわせて論文作成中である。
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